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草刈り、草取り、草むしり2007-08-22
    ☆ 草刈りの 手鎌振えば 汗も飛び 道路の彼方 陽炎揺れる 


 ずっと気になっていた畑の草取りをやっとすることができました。手鎌での草刈り、抜ける草は根元から引いて(草取り)、地面に這いつくばったり、野菜たちと隙間なく生えているところは、草をむしってという、草刈り、草取り、草むしりでした。
 張り切って力を入れすぎると身体に熱気がこもりすぎるので、なるべく静かに、水分を補給しながらの作業です。・・・県道脇の畑で、熱中症なんてとんでもないことですから。
 何のスポーツもしない(できない)私は、肉体労働こそがスポーツでもあります。
 田んぼを見回ってきた裏のおじいさん、清さんが通りかかり、いつものことながら、「鎌は、切るっとな?」と声をかけてくれました。
「うん、この間研いだけど・・・。」
「ああ〜、刃のこぼれとったい!こりゃ、研がにゃ!」


 家に引き返して、せっせと研いでくれました。
「俺は、いつも腰に砥石ばぶら下げとっとよ。田んぼでいつも草ば切りよるけん・・・。」
 私の砥石と、自分の砥石で、手慣れた熟練の研ぎっぷりです。すばらしい!
「ほら、切れようが・・・!」
「手ば切らんごとよ!、この砥石も畑に持って行きんしゃい!切れんごとなったら研ぐたい!」
 とか言いながら、10分もすると、また畑をのぞきに来てくれました。
 草取りの一番の目的は、車で小路から県道に出るときの右折の際の見通しの悪さを解消することです。“野の花”のお隣のお嬢さんから、「出勤するとき、背が低いので、車が来ているのが見えない・・・」と言われたことがあって、それ以来かなり気をつけてはいるのですが、夏草の成長は早く、あっという間に伸びてしまいます。
 

 2番目の目的は、草刈りに几帳面な地域の方のご迷惑にならないように・・・。家の並びで、草を茂らせているのは私だけです。(みなさま、ごめんなさい)
 畑の前のお宅に、いつも謝るのですが、「何の!日よけにも防風草にも良かですたい!もう少し伸びると、もっと役に立つですばい!」と笑ってくれます。


 ですから、畑の中の草は、一番後回しです。そろそろ、冬野菜の準備も始めなくてはなりません。


 しかし、今日は、高校野球「広陵×佐賀北」の決勝戦の日でした。せっかく調子が乗ってきた草刈りを止めたくはないし、でも、ずっと応援をしてきた、”佐賀北”も観たい・・・。
 ところが、昼食のために家にかえった途端に大粒の雨が降り出し止む気配がありません。
大いなる天の「草刈り休むべし」のご許可を頂き、昼食のお皿を抱えて観戦しました。
 まさかの大逆転に、雨音に負けない歓声と手を打ち鳴らし、昨年のWBCに匹敵するほど興奮しまくりました!


 優勝が決まると、不思議に雨が止み、”佐賀北”に元気をいただいてまた畑に出かけて行きました。
しばらくすると、お隣のお兄ちゃん、尚道さんが出て来て、
「見とるだけで大変そうやけん、僕が刈りましょうか?」と嬉しい申し出をしてくれました。
・・・雨上りの草刈りの私は、気がついたら泥まみれになっていました。この姿が、哀れさを誘ったのでしょうか?


 尚道さんは、私の息子と同じ26歳の青年です。お父さんは、農繁期以外は、会社仕事に行かれますが、この息子さんは、数年前から専業で、他所の田んぼも一手に引き受けて米農家に従事されています。
・・・私が、いつも梅干用の梅のお世話になっているお宅です。


 あれよあれよという間に、すっかりきれいに刈り上げてくれました。わずか10分足らず!私は彼について回って、「ここ!ここ!」「ここまで!ここは、小豆があるから・・・!」と贅沢な注文!


 私の同じ年の息子は、こんな風に人に親切にしてあげることができるのかしら?と思いながら、尚道さんの親切にとても感謝しました。
・・・なんだか、若い人に優しくされると、また格別に嬉しいものです!
年寄りになったみたいな感じでもあります。


 私の作業が終わったときは、もうあたりは暗く、8時近くになっていましたが、おかげで、畑の中まで完全に終わらせることができました。刈り取った草は、全部畝に被せましたが、土を潤し、虫の住処になり堆肥にもなってくれます。・・・コオロギくんの住処にもなるのが、ちと困りものですが・・・・。(コオロギくんは、新芽の白菜や大根が大好きなのです。)


 しかし、しかし!ずっと温かな気持ちを抱いていたのに、その夜友人と話した電話で、高校野球の優勝戦の審判への批判がネット上に流れているという話を聞きました。
 仕事をし終えた満足感も、”佐賀北”への感動も、膨らんだ風船がシュワシュワと萎んでいくようなやり場のない気持ちになってしまいました。

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