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台風の影響?で、連日すごい蒸し暑さです。しかし、自然界の動植物は、そんな台風の気温上昇には惑わされません。彼らのおかげでもうしっかりと秋が目に見えるようになって来ました。
秋が来ていることを、我が家の栗も知らせてくれました。いえ、正確には裏のおじいさん、清さんが知らせてくれました。
栗の木は、敷地内の離れの北西側にあるのですが、なかなかそちらの方には用事がないので、栗の実が熟れて落ちても気が付かないことが多いです。そんな栗の実を割っていつも持ってきてくれるのは、清さんです。私は、自分の庭ながら、ほとんど拾いに行ったことがありません。もっとも、毎朝見張っていてくれるのですから私が拾う余地もないわけで・・・。 | |
清さんが好きなものは、栗、独活(ウド)、つわ蕗、つくし、つがになどです。食べるのも好きかもしれませんが、山野を歩き回ってそれらを採取するのが特別好きなようです。清さんは、もう82歳なのによく歩きます。すごい健脚です。
私の庭の栗を持って来てくれるとき、決まって清さんが言うことがあります。
「おら、1個も取らんで全部持って来ようけんな!」
「取ってもいいとよ。清さんも食べてよ!」
「いいや、よか!おら、他ん所で取ってくるけん!あんたんとこのは、全部あんたに持ってくるけん!」
毎年いつもいつも、持ってきてくれるたびに繰り返される秋の会話です。
しかし先日は、失敗でした。数年前に植えたイチジクの木もあるのですが、昨年から少しずつ生り出し、ポツリポツリと熟れています。その初生りだったイチジクを、清さんが食べたそうです。
「あんたのやけん、良かろうと思って俺が食うたよ!」
まあそれも良いかと思って、2番目に熟れたのをちぎる時期を見計らっていたのですが、いつの間にかなくなっていました。
それで、清さんが家に来たとき、
「清さん、また食べたでしょう!?」と言ったのです。
そしたら、
「おら知らんよ!おら取っとらん!そげん、他所のもんば、いつも食わんよ!」と。
「へ〜!ごめん、ごめん!てっきり清さんかと思った!ごめん、ごめん!」
それで、3番生りを私が食べ(初食べ)、4番生りは清さんに持って行って上げました。
「ああがと!おおきに!」とステテコ姿の清さんは、真っ黒に日焼けした両手で受け取ってくれました。
夕方、清さんの娘さんの節子さんが犬の散歩に行っているのに遇いましたが、
「今日は、すみませ〜ん!ありがとうございましたぁ!」
「え?・・・?」
「おじいさんが、イチジクばもろうて。」
「ああ〜!たったの1個よ!」
「冷蔵庫に入れて冷やしてあるとよ!」
「・・・へ〜え!!」
今日は、清さんが採って来てくれた栗で、お客さまのために栗おこわを炊きました。
美味しかったぁです!真黄色の栗の実!
清さん、ごめんでした!そして、いつもありがとう!
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