|
|
|
※各画像をクリックすると、拡大画像がご覧になれます。
|
|
|
|
田植えから、ひと月が過ぎ、見渡す限りのみどりの田園が続いています。
ひと月ほど前に、アマガエルの話を書きました。
しかし、カエルのことは相変わらず何にも知らなくてずっと気になっていました。
私が知りたいのは、小学生程度のほんの小さなことばかりでしたが、気になるものはやはり、ずっと気になるもので、時間を作って地元の前原市図書館に本を探しに行きました。
カエルというのは、田んぼやその周辺で暮らしているものだと、ずっと思っていました。
違うのですね。田んぼで暮らすのは、繁殖期の産卵の時期とおたまじゃくしの時期だけで、その後は、昆虫やクモ、ミミズなどを食べながら山や丘や私たちの庭先で木に登ったり、草に登ったりして暮らしているんですね。
そういえばよく、外灯の点く辺りにへばりついてるのを見かけることがありました。
虫たちを待ち伏せているのです。
カエルが、脱皮をするというのも知りました。
皮膚が古くなると、その場で食べてしまうそうです。
それから、雨が降る前にアマガエルが鳴くというのも本当のことのようです。
湿度が高くなった雨の降る前になると、アマガエルの身体は、途端に湿気を帯びてきて濡れてくるのだそうです。
産卵の時期も、カエルの種類によって違うことを知りました。
私が、子供の頃見たという、早春のカエルの卵たちは、「ニホンアカガエル」の卵だったようです。
ニホンアカガエルは、冬眠を一時休止して産卵のために出てきます。
真冬に産卵するのは、卵やおたまじゃくしを食べる天敵が少なく、他のカエルも冬眠中で、田んぼを独り占めできるからなのだそうです。
そして、再び冬眠、地上に現れるのは、4月中旬なのだと。
しかし、現代の田んぼは、機械化のために圃場整備（ほじょうせいび）がなされ、冬場でも水が入ってる田んぼは、もう見かけなくなりました。
昔たくさんいた、トノサマガエルなどにもめったに会えません。
農薬の使用もあるでしょう。
今元気に生き残っているのは、どうやらアマガエルのようです。
「圃場整備は、宅地を作るときのように、田んぼの底に土砂を埋めて行われます。地均しをして、岸をコンクリート製の護岸で固め、農機が入りやすくするために、深くまっすぐに作り変えられ、水路も完備されるため、多くの田んぼは、冬にはカラカラに乾く・・・
指に吸盤があるのは、アマガエルだけで、吸盤の付いてないカエルは、コンクリートの水路を越えることができない・・・」「カエルの田んぼ」長谷川 雅美著より
そうです、私は、この地に越してきて初めて、「圃場整備」なるものを見たことがあります。
現代の田んぼとは、自然のものではなく、人工的に創られたのだということを知りました。
しかも私が見たものは、何と、都会の再開発事業などで出た残土が使われていたのです。
これは、宅地造成などでもよく見かけるものと同じでした。
いろんな生き物たちの生態も、どんどん変化していっています。
大雨が降れば、水をさばききれない森林、いろんな公害問題、顕著に現れている社会の歪みなど・・・たくさん、たくさん・・・・・
何とか、命の原点をもっと真剣に見つめなければ、あまりにも悲しすぎますよね。
人間ばかりか、いろんな生き物たちの悲鳴が聴こえてきます。
世界経済とは、命に逆行することばかりのような気がします。
便利で快適な生活、合理性ばかりを追求し、自然に感謝し、調和することを忘れた人間のエゴの行方はと考えると、恐ろしくて罪の深さが思い知らされます。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * | |
図書館で見つけた本のなかで、子供にとっても、大人が読んでも楽しい本を見つけました。
3冊を紹介します。
「アマガエルとくらす」
作： 山内祥子
絵： 片山 健
出版社： 福音館書店
夏の時期、自分の家の洗面所に、３年間続けて訪れたアマガエルを家で飼うようになり、実に１４年間一緒に暮らし、心を通わせた実話です。
四季を通じたカエルの様子や家族との交流が、やさしく、温かなお母さん（筆者）の目を通して描かれています。
家事をするために部屋の中を行き来しているお母さんを、自分たちの水槽に身を乗り出しながら、右を眺め、左を眺めては、餌をもらおうと後を追っているアマガエルくんたちの愛らしい様子などは笑えます。
感動したのは、知らなかったアマガエルの生態と筆者の愛情に満ちた心でした。
「アマガエルのヒミツ」
文:秋山幸也
写真:松橋利光
出版社：山と渓谷社
小さい体と同じくらい喉をを膨らませて鳴く雄、雄と雌が協力するアクロバット産卵、変幻自在の体色など、知っているようで知らないアマガエルの興味深い生態に迫ります。美しい写真とわかりやすい解説で構成。アマガエルの飼育方法も紹介しています。
「カエルの田んぼ」
著：長谷川 雅美
出版社：フレーベル館「森の新聞」シリーズの��
カエルが減ってしまった原因を探るために、台地や丘陵の間にある昔ながらの田んぼ「谷津田」を訪ねる。四季を通して、田んぼの様子やカエルの生態を詳しく紹介。自然の大切さについて学ぶ。（インターネットの紹介文より）
|
|
|
|
|
 | |
|
|
