春のシンボル・ツリーとしてずっと黄色の花を楽しませてくれていたミモザの木が、昨秋から調子が悪く、年末の大風でとうとう倒れてしまいました。
木の幹の中に虫が入ってやられたようです。立ち枯れになり、強風が吹いた夜に、ポッキリと根元から倒れてしまいました。
“野の花”に来たときは、わずか1mくらいの苗木でしたが、成長が早いので丸5年で、4m近くの大木になっていました。 |
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ミモザの花って、”ミモザ・サラダ”というのがあるように、ゆで卵の黄身や卵焼きを裏ごししたような小さな花を、春に先駆けてこんもり房状に咲かせてくれる花です。ほんとうの名前は、通称ミモザ・アカシアで房アカシアが正式な名前でしょうか。
ずっと片付けなければと思いながら、お客さまがお出でにならないのをいいことにそのままになっていました。やっと今日は、小枝から少しずつ切り始め、幹も数分割にして庭から撤去しました。
無念でした。あんなに元気だったのに、まさかこんなにあっけなく逝ってしまうなんて。改めて春の満開のころの花姿が浮かんできました。
鋸を挽く手が少し疲れたなあと思っていると、来てくれました!清さんです!
『たすけて〜!』と私が、念ずると必ず現れてくれるスーパー・マンのようなおじいさんです。
「なんばしよっとな!」
「俺も鋸ば持ってくるけん!」
一緒に枝を切ってくれ、何往復もして店のすぐ前にある畑まで運んでくれました。
畑に運んだミモザを新聞紙を火付けにして焼きました。ミモザの火葬でした。しかし、私が感傷に浸る間もなく、「火の点かんけん、そこら辺の木切れば集て来なっせ!」と指示を飛ばし自分もテキパキ集めます。
「あんまり煙ば出さんようにせな、消防署から人が飛んで来るけん!」とも。
そうです、ほんとうは禁止されているんですけど。でも、剪定した木々を自分の畑で処分するのは、農村地帯なので少しは大目に見られているのでしょうか?いつも目にする光景です。
さすが昔の人は、焚き火も上手です。たちまち火の手が上がりパチパチと音を立て始めました。清さんは、畑用の鉄パイプで枝を盛り上げたりしながらまんべんなく焼けるように火の番をしてくれます。私はその間、また庭に戻り落ちた葉っぱや小枝を掃除してまた運びました。大きな幹もあったのに瞬く間に、燃え尽きてしまいました。
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庭の片隅に、ぽっかりと大きな穴が空きました。結構広いスペースができました。
ミモザに絡み付いてもたれていた木香バラやミニバラの蔓が、長くなりすぎた手をブラブラと風に吹かせています。
跡に何の花木を植えようかと思案していましたが、もうこのままにして花たちに飾ってもらおうとかと思っています。
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