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清(きよ)さん2008-01-13
 いつもいつも“野の花ブログ”に登場してくれる清さんですが、書きおおせないくらい“野の花”の助っ人です。ほんとうの名前は、清馬(きよま)さんといいます。


 庭の側溝に土が溜まっていると言っては、黙って浚えてくれます。私は、後で気がつくことが多いです。昨日もまた、キッチン横の10mほどの側溝の土がきれいに浚えてありました!清さんの家との境目の側溝です。実は、私はこの側溝に昨年、黄ショウブの花を植えていました。清さんの娘さんの節子さんに相談して植えたのですが、その黄ショウブが全部取り除かれてなくなっていました。気がついた私が、
「え?きれいにしてくれたの?!」
「ああ、あんたに怒られるかもしれんと思ったけど、水の溜まっていかん。水の流れんと困るとたい!花は、山に持って行って捨てたよ。」
「ああ、そうか・・・、すみませんでした。やっぱり、ここに植えたらいかんかったねえ。ごめんねぇ、清さん!」
 黄ショウブの根っこは、頑丈ですのでこれを取り除くのは大変だっただろうと思いますし、土を上げるのも力が要ります。・・・このときばかりは、ほんとうに申し訳ないと思いました。


 落ち葉の頃柿の葉が、前の道路に散らばっていると掃き清めてくれます。雨上りの朝は、必ず掃いてくれます。もちろん、私も気にはなるので時々は自分でするのですが、たまに私が掃除をしているのを見ると、
「近所の人が喜ばっしゃるやろ!きれいになった!」と喜んでくれます。すみませんと思いながらも、お客さまのある日は、とても時間がありません。いつもいつも清さんに甘えっぱなしです。


 庭のお客さまに見えないところの草は、ついつい後回しになってしまうのですが、ふと気がつくときれいになっていたりします。ドクダミの根っこなどもきれいに掘って除いてあります。


(この上下の画像は、昨秋のです。)
 水周りがきちんとなっていないとか家の周りが汚いというのは、どうも我慢できないというか、心配で気になって仕方がない・・・という性分のようです。お年寄りって、そんな感じですよね。いつもそんな風に、ごく当たり前のこととして人に迷惑をかけないような生き方をされてきたんだなあって思います。だからといって、「だらしがない!」なんて小言をいわれたことはありません。やっぱり、清さんは偉いなあと思います。
 

 私が、家を空けるときに花壇や植木鉢、花苗の水遣りの世話をお願いするのも清さんです。初めてお世話になったときに、どこのどれに水を遣るかの説明をしたのですが、今では心得ていて、お願いしてない隅々まで世話をしてくれます。


 私ができることは、お客さまのいらっしゃらないときに、自由に家に出入りをしている清さんに、お茶を入れてあげること、話を聴いてあげることです。話の内容は、大抵決まっていて、耳の補聴器の話、週1回の病院に行った時の結果報告、昔の大腸癌の話、病院の人が親切で送迎してくれた話などです。私は、食器を洗いながら、床拭きをしながら、ケーキを焼きながら聴いています。
「ここは、気安かけんよかもん(気軽でいい)!」と、言ってくれます。
お茶の接待を受けることは、特別嬉しいようです。出してあげたお菓子は、ほとんど食べずに、
「おなごに持って帰る!」と言います。
”おなご”とは、自分の奥さんのことです。
「じゃあ、もっとこれも持って帰って!」と包んであげるともっと嬉しそうにしてくれます。


 パジャマのズボンのゴムが切れたと言って見えることもあります。娘さんの節子さんが仕事から帰ってくるまで待てば直してもらえるのでしょうけど、お年よりはせっかちですから・・・。手を怪我して、絆創膏が見当たらないときには、傷テープを貼ってあげます。


 清さんの奥さん、フジエさんが見えることもありました。(・・・ありました、と過去形になるのは、転倒して骨折され入退院を繰り返し、今では出歩かれることもなくなりました。)
「洗濯機の電気が消えんけん、見に来て!」とか、
「孫の部屋の電気が点けっぱなしで、どこを消したらよかとやろか?」とか。
「電気が消えない?・・・なんだろう?」
慌てて行ってみると、洗濯機の電源がONになってて、触ったときにスイッチが入ったのでしょう。お孫さんの部屋も、これまた単にCDプレイヤーの消し忘れでした。
 私はほとんど家に居ますので、何かしら、些細なことでも娘代わりに言ってくれると嬉しいです。たまには、役に立ちたいです。


 こんな風ですから、時々”清さんが居なくなったらどうしよう!”と思うことがあります。もう今年は83歳です。しっかり恩返しをしておかねばなりません。今年は、もっともっと清さんに優しくします!
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