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クマの心2008-01-15
 “野の花”の番犬クマは、6年前の11月に娘が渡米するときに預かった犬です。アメリカで飼うつもりで育てていたのですが、9.11テロのため危険に思った娘は、泣く泣く私に預けて旅立って行きました。生後10ヶ月くらいでした。柴と紀州の混ざった雑種です。
 子供のいない娘にとって、クマは自分の子供のようです。私は、ことあるごとに、娘に「クマ・リポート」を送っています。それが、何よりも娘を喜ばせることになるようですから。




 若くて元気なクマは、紀州の血も混ざっているからなのでしょうか、今まで飼ったことのある他の犬たちよりは、少々気性が荒いところがあり、しばしば戸惑うこともありましたが、次第に娘の分身だと思うようになってきました。・・・クマを大切にすることが、娘を大切に思うことにつながります。孫を預かっているようなものです。


 “野の花”にお客さまがお見えになったときは、結構激しく吠えることもありますが(吠えられたお客さま、すみません)、お帰りになるときに吠えることはまずありません。言葉もかなり通じますし、私の目を見て理解することもあり、身振りで理解することもあります。甘えん坊でもなく、困ったときでも決して吠えて私に知らせることもない子です。例え、私が夜に食事を遣るのを忘れてもワンとも言わないし、ロープが石に絡まって動けず雨に濡れっぱなしになっても、私が気がつくまで顔からポタポタと雨の雫をたらしながら黙っているような子です。助けて欲しいときくらい声を出してくれたらいいのですが、それでも無駄吠えをしないという点では立派です!やたらに吠えられると、ご近所にとても気を遣うものです。私の一人暮らしを、番犬としてしっかりサポートしてくれています。


 散歩は、昼夜のお客さまが続いたときなど、夜中の2時になることもありますが、台風で風雨が激しいとき以外、連れて行かなかったことはありません。”お母さんは、必ず散歩に連れて行ってくれる”というクマの信頼を裏切ることはできませんでした。重い足を引きずりながら、いざ出かけてみると、星空やお月さまの夜の世界が気持ちよく、反対に私を連れ出してくれたクマに感謝の気持ちが湧いてきます。疲れていた身体が、心地よくほぐされていきました。


 昼間も、クマと一緒だから、一人では決して行かないようなところにもあちこちさまよい歩く楽しさがあります。“野の花”の半径2kmくらいは、丘や山の中、ほとんどの野道を歩きました。おかげで、自然のことはここの近所の方より私の方がずっと詳しいと思います。
 野いちごの群生しているところ、ウドやタラの芽の在り処、上等な蕗、山ミツバ、せりの生えている場所、放置みかんの生っている山の中のことなど。クマとの散歩のおかげでした。いつも一緒に探検をしてきましたから。
私の野歩きのサポーターでもあります。
 ただ、私が実家に帰ったり鹿児島の友人宅に行くときには、クマは人にお願いしていつもお留守番でした。車が苦手で、病院に行くのも車の中をウロウロして落ち着かないので、車に乗せるのは大変だと思っていました。それに、子犬の頃には、よく車酔いをしていましたから。


 ところが昨秋、クマをお願いすることができず、仕方なしに連れて行くことになりました。大きな犬用のケージを買いました。果たしておとなしくしていてくれるだろうかと出発をするときも、道中も緊張しました。発進や停止にも、高速道路のスピードにもかなり気を遣いました。
 最初は落ち着かなかったクマも、次第にじっと座ったり眠ったりできるようになり、車酔いもなく、2時間半の車の旅を無事に終えることができました。クマも疲れたでしょうけど、私もとても疲れました。


 友人宅の敷地は、800坪もありますから、20mの長いロープでつないでも短過ぎますが、ある程度は自由に動けます。気がつけばいつも、庭仕事をしている私の傍にピッタリ寄り添っているクマが居ました。夜は、玄関の土間に入れてもらうことを許されました。土間を上がったところにキッチンがあるのですが、そこの床に顎を載せて私が料理をするのをいつも眺めることができました。私は、クマと話をしながら料理をしました。


 連れて行くのが悪くないと分かりましたので、今度のお正月も連れて行きました。もうすっかり車にも慣れリラックスしてよく眠ることができるようになりました。そんなクマを見ているうちに、この子は、私の傍にいることがとても嬉しいのだということに初めて気がつきました。


 庭仕事をしている私と一緒に居れること、車の中でも傍に私が居ること、私が友人と楽しそうに笑い合う明るい声を間近で聴けること・・・。それが、クマにとってどんなに嬉しく癒されることだったのかを、私は、やっと理解することができました。クマは、とても嬉しそうな顔をしていました。
 甘えん坊ではないと思っていましたが、それは表面上のこと。いつも声をかけて欲しかったし、いつもかまって欲しかったのです。・・・クマの心がやっと分かりかけてきました。
 昨秋の湧水行きから、クマの表情が確実に変わりました。とても穏やかで、落ち着いた顔つきになりました。少し甘えん坊のところを見せるようになってきました。それに、クマは笑うんです。画像は、とてもピンボケですが、高祖山(たかすやま)に登ったときのものです。ね?笑っているでしょう?(画像を拡大するとよく分かります。クリック)
 

「犬の十戒」というのがあったことを思い出しました。


† 犬の十戒 † (犬の飼い主のための十戒)
The Ten Commandments of Dog Ownership-Author Unknown



1.My life is likely to last 10 to 15 years. Any separation from you will be very painful.
私の寿命は10年から15年ほどです。ほんの少しの間でも、私はあなたから離れていることは、とても辛いです。


2.Give me time to understand what you want of me.
あなたが私に望むことを理解するための時間をください。


3.Place your trust in me, it is crucial for my well-being.
どうぞ私を信頼してください。・・・それが、私にとって幸せなことなのです。


4.Don't be angry with me for too long, and don't lock me up as punishment. You have your work, your friends, your entertainment. I have only YOU.
長い時間私に腹を立てたり、罰のために私を閉じ込めたりしないでください。あなたには仕事があり、友達や楽しみもあるでしょう。私には“あなた”だけです。


5.Talk to me. Even if I don't understand your words, I understand your voice when it's speaking to me.
私に話しかけて下さい。あなたの言葉は解らなくても、私に話しかけるあなたの声は理解できます。


6.Be aware that however you treat me, I'll never forget it.
あなたが私をどのように扱ったかを、覚えていて下さい。私はそのことを決して忘れないでしょう。


7.Before you hit me, remember that I have teeth that could easily crush the bones in your hand, but I choose not to bite you.
私を叩く前に思い出して下さい。私にはあなたの手の骨を簡単に噛み砕く歯があるのに、あなたを咬まずにいることを。


8.Before you scold me for being lazy or uncooperative, ask yourself if something might be bothering me. Perhaps I'm not getting the right food, I've been out in the sun too long, and my heart may be getting old and weak.
私が怠惰だったり協力的でないことを叱る前に、何か問題がないかを自分自身に問いかけてください。私はちゃんと食事をもらっていないのかもしれないし、長いこと暑い日向に置かれていたのかもしれませんし、年老いた心臓が弱っているかもしれないのです。


9.Take care of me when I get old. You, too, will grow old.
私が年を取っても、ちゃんと世話をしてください。あなただって同じように年を取るのですから。


10.Go with me on difficult journeys. Never say, "I can't bear to watch it", or, "Let it happen in my absence." Everything is easier for me if you are there.
Remember, I Love You!
辛い最期の旅立ちのとき、決して、「とても見るに耐えない」とか「自分の居ないときに逝ってくれ・・・」などと言わずに、どうぞ傍にいてください。あなたが傍にいてくれるだけで安らかになれるのですから。
忘れないでください、私はあなたを愛しています!
コメント
「クマに会いたい!」

お久しぶりです。今年も宜しくお願い致します。

クマの記事、とても感動してしまいました。
笑っている顔がとてもかわいいですね。

まだまだ寒いので、ご自愛下さいませ。
(末永最高 2008-01-17)
末永最高さま、
ありがとうございます。

まあ、感動してくださっただなんて!
他所の犬の話なんてつまらないんだろうなぁ・・・、
って思いながら書きましたので、ちょっと目を丸くしているところです。
よかった!
一人でもそんな方がいてくださって。
ありがとうございます。
(“野の花” 2008-01-18)
人も犬も花や野菜も皆、同じ事なのに、改めて想う。そうある事の大切さをいつも忘れる。人の生活が複雑になればなるほど、便利になればなるほど、遠くなる想い。反省してシンプルに生きることで、見えてきたものに、今日、このブログに出会えてよかったと思う。よくありがちな愚かな私でも、思いなおせるように人は想いを伝えあうことでもっとたくさんの愛を届けることができるはずなのね、笑って、楽しく、生きていけたらと思わない人はいないと思うもの。
(子供の頃の夢 2008-01-20)
子供の頃の夢さん、はじめまして。
レスありがとうございます。

すてきなハンドルネームですね!
もうこれだけで、その方の雰囲気が伝わってくるようです。
”人は想いを伝えあうことでもっとたくさんの愛を届けることができる”って、なんてすてきな優しい言葉でしょうね。
読ませていただきながら、心が深いところに降りていくような気がしました。

みんなで、身近な人に”たくさんの愛を届けることができる”ことをしたいものですね。・・・あまりにも悲しいニュースばかりが報じられています。
(“野の花” 2008-01-21)
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