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初めてシフォンケーキの作り方を習ってから、もう１年になります。習った当初は、そこそこできていたのですが、２０年以上も前に買ったオーブンでしたから調子が悪くて上手く焼けなくなり、しばらくは、シフォンへの情熱が寝えていました。年末にオーブンをやっと買い直し、気を取り直していざ再開すると、まあメチャクチャに失敗が続発しました。
失敗の原因を突き止めようと毎日毎日焼きましたが、その失敗はますますひどくなり、全く焼けなくなってしまいました。焼いても、側だけができて、中が空洞になってしまうのです！中身のない空っぽのシフォンです。
インターネットで、シフォンの親切なＱ&Ａを見つけたのですが、それを読んでも解決策が見当たらないまま、ほとほと自信をなくしてしまいました。 もしかしたら、オーブンが、不良品かもしれないなんて疑ったりもしました。
「そうだ！彼女に聞いてみよう！私のレシピで、私のオーブンで焼いてもらおう！」と、いつもすばらしいシフォンを焼いている知人を思い出しました。厚かましいとは思いつつ、藁にもすがる思いで電話をしました。
そうしたら、親切にも、
「ああ、ちょうど時間が空いてるから、今から行ってもいいですよ。」って言ってくれました。
私は、「そのうちに・・・」と思っていたのですが、なんとフット・ワークがいい人なんでしょう。電話してから１時間以内には、私のキッチンで、シフォン・ケーキを焼いてくれたのです。・・・困っているときに助けてくれる人って、まるで神さまみたいに思えます。
オーブンに入れて焼けるのを待つ間、お茶を飲みながら、日頃ゆっくり話もする時間がなかったので、話が弾みました。そして待つこと、４５分+１時間半。焼き時間と、冷ます時間です。冷ます時間は、ほんとうはもっと要るのですが、主婦でもある彼女は、夕方の忙しい時間でもありましたので、まだ少し生温かいのを開けてみることにしました。
できていました！空洞はありませんでした！オーブンのせいではなかったことが証明されました。（自分の非を他人のせいにするなんて・・・ひどいものす。）悩みぬいた末にやっと原因が分かって解決策が見つかったのは、ほんとうに嬉しいことでした。 | |
卵黄を混ぜるときに、彼女は、しっかりホイップしました。５個の卵黄に、砂糖、水、サラダオイルを加えるのですが、私の習ったやり方は、そこまでホイップするとは聞いていませんでした。・・・それでも、それなりにできていたのが今考えると不思議です。
驚いたことに、彼女は、卵黄にいきなりお湯を注ぎハンド・ミキサーを使ってホイップを始めたのです。お湯を入れたことにも驚きましたが、卵黄には、まずオイルから入れるのが常識だと思っていましたからびっくりでした。いろんな作り方があるものです。卵黄を温めてやることで、ボールいっぱいに驚くほどの泡が立ちました。とてもきめの細かい泡です。
その後、復習のため一人で焼きましたが、おかげさまでとても上手くいきました。理由を考えると、卵黄をしっかり乳化させるということが大切なポイントの一つでした。マヨネーズを作る要領です。
さらに翌日、私は、唐津の浜玉町でケーキ屋さんをしている知り合いが居るのを思い出しました。“野の花”にも食事に来てくださるのですが、数年前までは、こだわりの自然食の食事店をされていたので同業者のよしみもあり、かなり親しくお付き合いをさせていただいています。どうして今まで思い出さなかったのでしょうか。プロの職人さんです！
ケーキ屋さんの名前は、「たまごいろのケーキ屋さん」と言います。”みのり農場”という有機栽培の農園を持ち、自然卵の生産を中心に野菜、米の販売もされています。また”キッチンみのり”では、ケーキ以外の商品を販売されるなど幅広い経営です。
http://www.nekonet.ne.jp/minori/（有限会社 みのり農場）
http://www.geocities.jp/hey1022hey/newpage65.html（人気のお店なので、いろんな方がブログで紹介されています。）
「ひゃあ〜、田崎さん！お久しぶりねえ！どうしたの？」と奥さんの敏子さん。チビまるこちゃんとそっくりのおかっぱ頭の彼女の笑顔が、電話の向こうで歓迎してくれました。・・・でも、顔は似ていても、まるちゃんとは違って、大人ですし、私より年下なのですが、とても繊細で慈愛に満ちた優しい人なのです。私の大好きな人の一人です。
ケーキ作りが、今では本業ですから、事情を話すと、ありがたいことにいろんな話をしてくれました。
敏子さんからの大収穫は、国産小麦粉と輸入小麦粉の違いの話でした。
「国産小麦粉は、グルテンが少ないから、どうしても焼き上がりの生地を支えきれないとよ！」と、とても私が不思議に思っていたことを教えてくれました。（私は、輸入小麦粉を使ったことはありませんが、他の方が作るシフォンはピシってしているのに、私が作ると、時間が経つにつれてだんだん傾いてくるのです。）
「輸入小麦粉は、失敗せずに出来るよ。きれいにね。でもね、自分ちの農園の卵を使って、お客さまに後ろめたいことのないように、見掛けは悪くても、お客さまにそう説明して買っていただいてるとよ。・・・もっと見かけをよくしたかったら、少〜し、小麦粉を増やしてごらん。」って。ありがたいものですねえ、すべてオープンです。
「私も、ずいぶん失敗したとよ！いろんな方法を試したんだから！・・・また、お父ちゃんと“野の花”のご飯食べに行くけんねえ〜！」と、私を励ます言葉もいただきました。
私は、いつも彼女の声を聞くととても会いたくなります。彼女には、特別人を癒してくれる労わりと優しさが溢れています。声を聞いているだけで心地いいのです。 | |
メレンゲも今までより、カチカチになるくらいに仕上げました。・・・メレンゲとは、卵の白身に砂糖を加えて生クリームのようにホイップしたもののことです。
通常、ケーキ作りにはグラニュー糖が使われます。ホイップのときにも、泡立ちが早く、仕上がりの色もとてもきれいな色になります。しかし、漂白された白砂糖系のものは、どうしても使う気になれません。輸入小麦粉も、ホスト・ハーベストが気になります。それに、国産の方が味がいいのです。卵にもこだわりたいです。
まなさまの温かなご協力のもと、やっと、きれいなものが作れるようになりました！ずいぶん悩みました。簡単に作られる方もいらっしゃいますが、元々不器用な私にとって、いろんな理屈を理解するのにも時間がかかりました。しかし、引っかかった分だけ、たくさん学習することが出来ました。
そして、あまり小麦粉を増やすとやはり、見かけはいいですが、味のコクが落ちるような気がしました。私も、見かけよりも味でいきたいです。
小麦粉は”柱”、メレンゲは”壁”の役割を果たしています！（と、納得です。）
材料は、こんなにシンプルです。シフォンにこだわるのは、バターも使わず、砂糖も少なめというところです。
【 20ｃｍシフォンの材料 】
国産小麦粉 120ｇ（形をピシッとしたければ、140ｇ）
自然有精卵 中５個（吉村ファームのものを使用）
圧搾サラダオイル 60ｃｃ
水 100ｃｃ
砂糖 60ｇ×2（卵黄用とメレンゲ用）
今回の学習したポイントです。
�〕餡�を少し温めてしっかり乳化させる（湯煎にかけたり、水の代わりに50〜60度のお湯を入れる＝特に冬場）
�▲瓮譽鵐欧鬟�チカチに
�９發い箸海蹐�ら生地を流し入れる（エアー抜き）
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| | （三宅島 紫陽花 2008-01-27） | | まさか、紫陽花さんがシフォンにまで情報を下さるとは思っていませんでした！
読ませていただきました！
【卵黄は泡立てない】
「メレンゲがケーキを膨らます名脇役だとすると、卵黄はケーキの味を左右する主役といえます。卵黄を泡立ててしまうとその主役の味が何かぼけたものになってしまいます。卵黄はできるだけそっと混ぜてください。」
”卵黄は泡立てない”とありますねえ。うむ〜、そうか・・・！やっぱり、卵黄は泡立てなくてよいのか？！味が落ちた理由が、小麦粉を増やしたことにあると思っていましたが、卵黄のせいだったのかもですね！
ふむふむ・・・いやあ、おもしろいです！ありがとうございました。またひとつ勉強になりました。
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| | （“野の花” 2008-01-27） |
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