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感謝!感謝!のとんだ災難!2008-03-17
 先週の土曜日の午後に、近所の可愛がっていた猫の”たまちゃん”から、こっぴどく噛みつかれてしまいました。


 庭で、しゃがんで花を見ていたら、たまちゃんがやって来ました。遠くからでも、私の姿を見つけると私の傍に来てくれます。声をかけると、返事をしながら小走りでやって来ます。


 しばらく、私は、たまちゃんの頭や首をカキカキしてやりながら、たまちゃんと話をしていました。そのうち、膝に抱き上げて身体を撫でながら、目先に生えている草を取ろうとしました。そうしたら、おもむろに首を傾けて、「えっ?」って一瞬思ったのですが、私の左手首にガブリと噛みついたのです!そうして、そのままグーッと力任せに牙を突き刺しました。その牙は、骨まで届きました。さらに、動物の習性で首をよじったのです。首をよじるのは、相手に致命傷を負わせる技です。深くナイフで引き裂く行為です。そんなときに、下手に手を引っ込めると、傷はさらに広くなるので、私は、噛まれるままにしていました。声の出ない痛さでした!


 たまちゃんは、そのまま去っていきましたが、庭の花壇の縁石の上にはたちまちおびただしい血が流れました。親指の付け根の太い静脈の上と、薬指の下方に2本の牙が入り、親指の下の静脈の地点を軸にして首をひねったので、薬指と中指の間が3cmほど裂けていました。静脈からどんどん血が溢れて、当たり前ですが、手首を押さえても噴出してきました。ヨモギが止血剤になることは知っていましたが、庭に生えているのに気分的にそれをする余裕がありませんでした。


 洗面所に行って、強い流水で傷口を洗いました。洗面所は、真っ赤になり、私が歩いた跡も血痕がポタポタ落ちていました。痛みに震える手で、びわ葉の焼酎漬けのビンを探し出し湿布をして、庭のびわ葉を採りに行きました。湿布の上に、びわ葉を巻き、ラップをして、口を使いながら包帯を巻きました。片手では、なかなか上手くいきませんが、時間をかけてやっと巻くことができました。よほど、お向かいの和代さんにお願いしようかとも思ったのですが、大袈裟すぎるので止めました。


 頭がボーっとして、クラクラしました。激痛です!・・・土曜日は、夜のご予約が入っていたのですが、ご病気の方が出られて、ご予約は延期になっていました。思えば、庭になど出ずに、明日の支度をすれば良かったのにと、頭の隅で考えていました。
 何か不幸に遇ったときに、「なぜ?」と思うのは、私だけでしょうか?痛くてたまらないのに、「何が悪かったのだろう?」とそんなことを思い巡らしている私がいるのです。


 安静にしておくのがいいことに決まっているのに、私は、その痛い手首を抱えて、やりたかった花苗の移植を始めました。出血や怪我や痛さには、けっこう強いので、気を紛らわしたいという思いもあったのでしょう。それから、たぶん3時間くらい、せっかくできた貴重な時間を惜しんで庭仕事をやり、クマの散歩にも行きました。
 しかし、日が暮れてしまうとさすがに私の手は、倍くらいに腫れ上がっていましたし、頭痛が酷くなってきましたので一眠りすることにしました。
 病院に行く気にはなれませんでした。免疫のことも勉強しましたので、腫れ上がっていることも、熱を持っていることも理解できました。私の身体の中で、白血球くんやリンパくんが一生懸命戦ってくれているのが分かっていました。
 私は、痛みを我慢するだけで、他人任せに「どうぞ、よろしくお願いします!」って、ふんぞり返ったり、寝ていればいいんですから、何と贅沢でありがたいことでしょう!



 気がついたら、2時間も眠っていました!「ワァ〜ッ!大変大変!もう9時だァ!」傷の湿布を貼り替えようとすると、びわ葉は茶色に変色していました。
 日曜日は、玄米ご飯のランチ・デーでもありますし、一般のご予約も入っていました。ランチの下ごしらえの準備は、3時関やれば済みますが、一般の料理は、少人数でも最低で6時間はかかります。


 大きな誤算でした!元気な腕で、その時間なのです。片手でするということを全く計算に入れていませんでした。最初は、どうにか里芋やじゃがいもの皮もむくことができました。やっと、お芋を掴むことができました。左の小指の側面で抑えて、食材を切ることもできました。しかし、ものの4〜5分で終わるはずの皮むきが、刻みものが、4倍も5倍もの時間がかかるのです。大きな大根は、重たくてどんなに頑張っても左手で持つことはできず、準備は遅々として進みませんでした。


 一般の方のご予約が入っていなければ、休むこともできましたが、親しい方との食事を心待ちにしてくださっていることを考えると、お客さまを裏切ることはできないと思いました。
 しかし、午前2時になっても、4時になっても下ごしらえが終わりませんでした。私は、自分がやりたいことを実行できないことは、とてもたまらない性格です。絶対頑張り通したいと思いました。なのに、現実は、身体がとても尋常な状態ではなく、このまま徹夜したら、ダウンしまうのが分かりました。・・・下ごしらえは下ごしらえで、本番はそれからなのですから。
 大きなお鍋を抱えることもできないし、お絞りを絞ることさえできない、それに、お運びだってできないことに気がつきました。・・・その明け方の時間、左手は全く動かせなくなっていたからです。
 キッチンを散らかしたままで、とりあえず仮眠を取ることにしました。できた分だけの料理をお出しして、その分だけの料金をいただこうと思いました。それに、お手伝いの恵子さんが来てくださる日でもありましたから、何とかなるだろうと思っていました。キャンセルだけは、避けたかったです。
 

 数時間仮眠を取って、朝また作業を始めましたが、どうしても動かない左手には、悲しいかな、ギブ・アップでした!「お客さま、ごめんなさい!」でした。
 とうとう、事情をお話してお断りをしてしまいました。でも、“野の花”のお客さまは、ほんとにやさしいんです。反対に慰めていただきました。やさしい言葉をかけていただくと、ウルウルになってしまいます。・・・この埋め合わせは、早いうちに何とかせねばなりません。(晶美さん、ありがとうございました!)


 それから、お昼過ぎまで爆睡してしまいました。でも、実は、夕方にプライベートで、体調のすぐれない方に夕食を届けることになっていましたので、それから準備にかかりました。1時間で終わるはずのものが、4時間もかかりました。さすがに我ながら、ここまで来るとおかしくなって笑ってしまいました。(ちょっと余裕が出てきた証拠です。)さらには、夕方、知人を天神まで送る約束をしていました。痛みはありましたが、気分はもう悪くはありませんでした。


 しかし、これが良かったんです!自分の手が痛くとも、私は、その知人をどうしても送ってあげたかったのです。右手は使えましたから、運転はできます。
 その知人は、セラピストで、私が大好きな人の一人です。別な私の知り合いの人のために、私の頼みで治療に来てくれていたのです。昨日は、2回目のケアーの日でした。彼女の治療のおかげで、動けなかった人が、信じられないくらいの回復力を見せています。・・・私は、セラピストさんに、私ができる精一杯のお礼がしたかったのです。どんなにお礼を言っても言い足りません。(彼女にも、夕飯の差し入れをしました。)
 セラピストさんの治療の終わるころを見計らって迎えに行った私の手を見るなり、彼女は驚いて、その場で即治療を施してくれました。ただ手を当てるだけの、いわゆる手当て療法です。彼女は、あの魔法の手で、何人もの癌患者も治しています。(いろいろと支障があるので、これ以上詳しくは書きません。)


 「良かった」、というのは、彼女の力を借りることができたからです。
「今日一晩は、痛むでしょうけれど、明日には、痛みは退きます。3日したら、お料理もできるようになりますから・・・。処置が良かったので、身体に菌は、回ってなくて良かったですね。」と言ってくれました。


 セラピストの彼女を送って家に戻り、お腹いっぱいの食事をしたあとで、私は、感謝の気持ちを込めて、撫でながら自分の左手と話をしました。


「いつも、とっても役に立っててくれたのね。
いつも、とっても助けてくれていたのよね。
ありがとう、あなたの大切さがよ〜く分かったよ。
右手さんも、ごめんね、ずっとこき使って・・・。」


 やっと、かつて私の知人が手を傷めていたときの気持ちが理解できました。自分の痛みとして体験しないと、人の痛みなど理解することができないのもよく分かりました。それに、左という字の、”エ”は、支えるを意味するのだそうです。
 やはり、起きることには、すべて意味がありますね。それに、身体のどの部分も不要なものはないんだということも。すべてが完璧に作られています!みんなが、それぞれのパーツをしっかり守って働いてくれています。


 ”喉元過ぎれば・・・”で、またすぐに、”ありがとう!”を忘れてしまうかもしれません。そんな現金で感謝を忘れた私に、今回はこんなアクシデントで気づきを与えてくれました。


 セラピストさんの言ったとおり、今日は、全く痛みが消えました!まだパンパンに腫れてはいますが、指が動くようになり、物が掴めるようになり、手首も回るようになりました。夜には、こうやって、両手でパソコン入力もできるようになりました。


 たまちゃんは、自分のやったことが分かっているのでしょう、毎日ベランダにお昼寝に来ていたのに、姿を現しません。今度逢ったら、「怒ってないよ!」と言ってあげようと思います。


 余談ですが、なぜ噛まれたかと考えると、うちの穏やかなキジーからは考えもつかないのですが、どうも動物というのは、下半身を触られるのを極端に嫌うようです。特に尻尾など。私の手が腰に触って、癇に障わり反射的に噛んでしまったのでしょう。・・・という結論です。どんどはれ!
コメント
西洋医学嫌いのあなたへ忠告します。できるだけ早く病院に掛かってください。ネコの狂犬病はまず大丈夫だとしても破傷風菌の感染が心配です。この病気は致死率が大変高く、一坦感染・発病すると有効な手立てがありません。直ぐに発病するというのでもない様です、飼いネコでも安心できません。詳しい事はネットで調べてください。ネコちゃんはあなたの左手、又は左手で掴んだ草でお仕置きされると思ったんでしょう。犬と違いネコは心底から飼い主と言へども人に忠実になりません。人の生活と深く密着した歴史が犬ほどありません。今回は油断しましたね。早く治療されて、又おいしい料理をお客様へ御提供ください。もう眠いから、これで。
(故小鉄の飼い主 2008-03-23)
故小鉄の飼い主さま

こんばんは!お久しぶりです。
ご忠告ありがとうございます!

ほんとうに、破傷風は心配なのですよね。
かつて娘が犬に噛まれたとき、一日入院させられたことがありました。

私も、自分の体調を観察しながら、しびれはこないので大丈夫かな?なんて、少しは気にしていました。

先週の水曜日から、ちゃんと仕事をしていて、どうやら完治したようです。
すみません、気をつけます。
ご心配いただいてありがとうございました。

ブログ、見ていただいているのですね!
昨年の文旦、美味しかったです!
(“野の花” 2008-03-23)
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