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入梅間近の農村事情2008-06-05
 あちこちで梅雨入りして、ここ福岡も入梅間近な湿っぽい最近のお天気です。蛍も飛び交っています。(でも、今年は、チラホラ・・・水事情が変わったのでしょうか?ちょっと心配です。)
 入梅を控えて、農村地帯はかなりざわついています。空模様を伺いながらの麦刈り、じゃがいもや玉ねぎの収穫、そして、畑を耕すトラクターの音、稲の育苗。“野の花”の隣家では、麦を乾かす乾燥機の回る音がしています。
 

 麦刈りが済んだ畑には、近所のお百姓さんたちが、麦藁を求めて一斉にやって来られます。みなさん軽トラに山盛り、何往復も運んでいかれます。スイカや、メロンなどの瓜類のための敷き藁です。麦刈りの翌日には、すべての畑から瞬く間に藁はなくなってしまいます。(速い!速い!)
 末永で麦を作られているのは、あちらもこちらもすべて“野の花”の隣家の道夫さんです。道夫さんの麦は、全部がビール会社から委託されている大麦です。


 みなさんの集められるのを見ていて感心するというか、驚くのは、束ねるための紐が、畳の縁(へり)を外したものなのです。その紐が頑丈でしなやかという理由なのでしょうが、これだけ便利な時代なのに、後生大事にその紐が重宝されています。麦藁を束ねるときだけでなく、何かを括るときにはこの畳紐が使われます。生活の知恵ですね。いいなあ・・・と思います。
 余談ですが、子供のころは、この本物のストローを使っていたんですよね。今年は、“野の花”ではこの天然ストローを使うことにしましょう!


 私も、毎年麦藁が欲しいと思いながら悠長に構えていると、取りに行ったときにはもう短く切れ切れになったものしか残っていません。それで、今年は、お百姓さんに負けないように、私もみなさんに混じってどうにか確保することができました。


 私も、スイカやきゅうりの下にも敷きますが、何も植えていない土の上にもとにかく被せておきます(こちらは、切れっ端でもOKです)。草も、麦藁も稲藁も、何でもかんでも被せておくと、覆われた土は、ホクホクになってミミズの住処になります。(ミミズの住処になってホクホクになるのかな?)先月までは細かったミミズも、最近では驚くほど大きく成長しています。それに、その数たるやすごいです!うなぎ釣りに行く近所の方が、いつも私の畑でミミズ探しをされています。何しろ、でっかいミミズの住処ですから。
 しかし、ミミズが増えるとモグラがやって来ます。モグラは、ミミズだけでなく土中に生息している虫(コガネムシやカブトムシの幼虫、ケラ、クモ、ムカデ、カエル、カタツムリなど)も食べてくれるのですが、野菜の根っこまで通り道にされるのはちょっと困ります。
 田植えの準備も着々と進んでいます。稲の苗床は、元気に育って田んぼへの出番を待っています。大急ぎに耕されていく畑の周りの水路には、もう農業用水が放流されました。入梅を告げる雨が降り出せば、それが田植えへの合図となります。カウントダウンが始まっています。


 田舎暮らしを始めて、徐々にお百姓さんの営みが見えてくるようになってきました。今まで、何気なく眺めていた稲の苗床も結構大変な作業のようです。


 稲の発芽方法は、農家によってそれぞれに違っているようですが、まず籾を水に浸して発芽までに約1週間かかります。JAと密接なお付き合いのある農家は、病害予防のため消毒液に半日ほど浸すのだそうです。(これには、ちょっとびっくりしました!)それから、水に浸け直します。農薬を使わない種子の消毒法としては、温湯消毒(60℃のお湯に10分浸ける)というのが最近普及してきているということを、先日ラジオで聴いたばかりです。土の中に室を作っての芽出し方法もあるようです。
 ちなみに、“野の花”でお世話になっている”吉村ファームさん”の無農薬のお米は、井戸水に1週間浸すだけだそうです。


 苗床の土も大変です。JAで培養土も販売されているということですが、それを使わないまでも、土は、育苗用に熱処理を施した真砂土(まさつち)を購入されることが多いようです。それだけ、病害予防には神経を尖らされているのですね。”吉村ファームさん”では、この真砂土に、燻蒸した籾殻、肥料などを混ぜて作るのだそうです。


 最近の苗床は、長方形の箱になっていますが、これは田植え機の規格によるものだそうです。この苗床に発芽した籾を蒔き、土を被せ、寒冷紗などで覆って決して乾くことのないように水遣りを欠かすことができません。
 いやぁ、大変な工程です。しかし、これは序盤なのですから。・・・お百姓さん、ほんとうにお疲れさまです!
 天気がまだ湿っぽくなる前の玉ねぎ畑には、引っこ抜かれたまま天日干しにされた玉ねぎたちが、2〜3日転がされていました。

 
 12月の植え付け作業に遅れた私は、1月中旬にやっと苗を植えることができました。しかし、決して小さくもなくそこそこの収穫です。嬉しかったのは、稲藁を敷き詰めただけの無肥料でできたことでした。
 私は、ほとんど赤玉ねぎを作ります。普通の玉ねぎも赤玉ねぎも、作り方は何ら変わりがないのに、なぜか市場に出る赤玉ねぎは値段が高いからです。この赤玉ねぎは、収穫し立ては、中身はほとんど白っぽく、日が経つにつれてきれいな紫色に変わっていきます。初めて作ったときは、そのことを知らなくて戸惑ったことがありました。


 汗をかく陽気になってくると、冷たく鮮やかな色の生野菜のサラダが恋しくなってきます。来週辺りから、いよいよ梅雨のトンネルに入るのでしょうか?
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