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息子の帰省 その22008-08-16
 礼ちゃんは、息子の麟太郎のことを”リンリン”と呼んでいました。・・・”リンリン”という愛称なんて考えたこともありませんでしたがいい響きです!
 高校生以降あんなに無愛想だった息子も、「礼(あや)ちゃん!礼ちゃん!」と、見違えるように優しくなっていました。


 家に居た頃は、昔飼っていたビーグル犬のタロウの散歩も、なかなか行ってはくれなかったのに、今度の帰省では、クマの散歩が目的のひとつでもあったかのように家に着くなり散歩に連れて行きました。そして、1時間半も帰ってこないのです。礼ちゃんも同じで、いかにも散歩に行くのが楽しくてたまらないという感じでした。クマも、大喜びです!


 阿蘇から帰ってきたときも、夜になっていたのに、ゴルフボールを3個も持って行きました。クマのおもちゃです。お土産に持ってきたフリスビーは、草の中で見失ってしまったのだそうです。


 散歩に行ったときの画像は、礼ちゃんが撮ったものですが、散歩の途中もずっと話しかけている様子が伺えます。一度の散歩で32枚も撮ってありましたので、礼ちゃんの想いも伝わってきます。
 帰る日も、まだ日が高くて暑いのにまた連れて行き、なかなか帰ってきませんでした。そして、汗だくになって帰るなり今度はお風呂に入れると言いました。
 時々お風呂場を覗きに行くと、ふたりで楽しそうに石鹸をつけて洗っていました。あまりにも延々とシャンプーしていたので、内心クマが石鹸かぶれをするのではないかと思ったほどです。20〜30分は石鹸をつけていたのではないでしょうか。おかしいです。長〜いお風呂でした。


 撫でると毛が抜けると言っては、ふたりでクマやキジーのブラッシングをし、縁側に寝ているキジーに語りかけ、キジーが居ないと言っては探し、玄関に入れたクマともひっきりなしに話をしていました。ほんとうに動物が大好きなふたりでした。


 「畑からきゅうりを採ってきてくれない?」と、畑を味あわせたい私がわざと頼むと、
「礼ちゃん、行こうか!」と仲良く採ってきます。特別にデレデレしているわけでもなく、馴れ馴れし過ぎるわけでもないのですが、どこに行くのも、何をするのも礼ちゃんと一緒!礼ちゃんも、犬ころのようにいつも息子について回ります。
 礼ちゃんに、息子の赤ちゃんの頃からのアルバムを見せました。4冊も抱え込んで、食事の片づけも忘れて見入ってくれて大受けでした!


 娘が、「お母さん、麟ちゃんに恋人ができたらもっとお母さんにも優しくなるから、もう少しの辛抱よ。」と言っていたのは本当でした。


 食事は、テレビのあるリビングでしたのですが、私が作ったものをキッチンからテキパキ運んでくれました。食べた後も、サッサと食器を片付けてテーブルを拭いてくれます。買い物のときの荷物も阿蘇に行くときのお弁当もサッと持ってくれました。お風呂から上がれば洗濯機が回っていました。帰るときも、布団を敷いたお座敷やリビングも部屋中、掃除機をかけて礼ちゃんと一緒にきれいに片付けてくれていました。あの子が、自発的に掃除機をかけてくれている姿が頼もしくもあり愛おしくもありました。こんなにまめな子だったのかと、驚くほどよく動いてくれました。


 ・・・いえ、私が忘れていただけでした。娘が家を出て息子と二人暮らしになったとき、息子は、私が食事の用意をしている間に毎日掃除機をかけてくれました。「そろそろ食べるよ!」と声をかけると、お茶、箸立て、グラス、食器等を準備してくれていました。食べた食器類は、必ず流しまで持って行ってくれていました。洗濯も、大切にしているシャツ類は、私に任せられないと自分で洗っていましたっけ。
 料理も嫌いではなく、いつも夜食は自分で作っていました。真夜中に、一人分のカレーやスパゲッティを作ったり、インスタントラーメン(昔は、食べていたんです。)も、わかめや野菜炒めなどのトッピングがすごい豪華なものだったなあ。


 でも、今回違ったのは、私への思いやりと労わりの気持ちがとても感じられたことでした。
 礼ちゃんが、東京での食事の話をいろいろしてくれました。
「最初は、私が料理をしていたんです。でも今は、麟太郎くんがシェフなんです。お出しも、いりこと昆布とかつおでちゃんと取るんですよ。何を食べるかを決めるのも麟太郎くんなんです。」


「私が、野菜の準備までやると、さあ、自分の番だ!とばかりに出てきて手際よくサッサと作ってくれます。それが美味しいんですよ!今では、私には味付けはさせてくれません。『う〜ん、これには何の香辛料が合うか?』って一生懸命考えるんですよ。」


「お素麺を食べるときも、大葉としょうがとみょうが、ねぎがないとダメなんです。我慢しようよ!と私が言っても、わざわざ足りないものを買いに行きます。」


「だし汁も、絶対自分で作るんです。私が、めんつゆを持って行くと、『そんな不味いの食べられない!』って言います。」


「お素麺も、私は、だし汁で食べるのしか知らないんですが、『今日は、トッピングの素麺を食べよう!』と、野菜やチキンや卵焼きを載せてたれをかけるんです。『美味いはずだ!』って。」


「私が疲れていて、もう何もしたくない、横になりたいと言うと、手伝わなくてもいいから一人で作る、って張り切って作り出すんです。食べなくてもいいと思っていたのに、食べだすと美味しいので食べてしまいます!」


「そして、鼻が利くんです!ちょっとでも古くなると、『ウッ!臭い!こりゃダメだ!』って言うんです。私は、食べても分からないんですけど。」


「最近、麟太郎くんは料理に目覚めてきてはまっています!」


 礼ちゃんに、食べ物の好き嫌いがないのも、私には大変嬉しいことでした。


 今まで、私が野菜を送ったときに時々レシピを訊いてきましたが、礼ちゃんから頼まれて訊いているんだと思っていました。そういえば、私がレシピを言っても、ポイントを聞いただけでサッと理解してくれていました。夜、11時頃電話をしたときも、「ご飯食べた?」と訊く私に、「今から作る」って言っていました。
 そうでした。息子は、私よりずっと味覚、嗅覚が発達していました。私も、料理を習ったことはありませんが、息子にも教えたことはありません。


「あなたの息子はシェフになるでしょう。」と複数の人から言われたことがありました。今は、ホームページの営業の仕事をしていて、それもとても楽しいのだそうですが、将来はもしかしたら料理人になるのかもしれません。
(私は、外食は苦手なので、いつの日か息子の手料理が食べれたら最高かも?です。)


 娘でしたら、自分からいろんなことを話してくれますが、男は自分のことはあまり語りませんから、私が知らない息子の生活を聞けるのは、やはり息子の恋人以外にはありません。そんな意味でも、礼ちゃんの訪問は、私にとってとても嬉しいことでした。


 意外な話も聞きました。礼ちゃんも、少し前まで息子と同じ会社にいたのですが、会社の人みんなが、“野の花”のブログを読んでくれているというのです。
「Iさんなんて、“野の花”のどんなことでも知っているんですよ、HPに書いてあることなら。クマのロープが長いこともみ〜んな!」


 “野の花”の管理画面を礼ちゃんに見せてあげたら、
「リンリン!ねえ、リンリン、すごいよ、すごいよ!ほんと、すご〜い!phpですからねえ!」とシステム担当の腕前に感動してくれました。礼ちゃんも、ホームページのデザイナーですから。


 私のことを、「あっこさん」と呼んでくれた礼ちゃんは、お土産は要らないと言ったのに、シックですてきなエプロンを買ってきてくれました。きっと、一生懸命選んでくれたのでしょう。その気持ちを考えると、もったいなくて宝物のように飾っておきたい気持ちです。
 息子の会社の、“野の花”に詳しい上司のIさんからも、上等なお菓子の詰め合わせをいただきました。ありがとうございます!息子への気持ちをたくさん感じさせていただきました。


 今までだったら、お弁当さえ持って帰らなかったのですが、今回は、晩ご飯用のお弁当と採り立て野菜や梅干し等の重い荷物を、観光客用に作られたキャスター付きの大きな買い物バッグにぎっちり詰めて、大雨の中を笑顔で帰って行きました。


 親として一番幸せなのは、真面目に働いて健康でいてくれること。帰ってくるときのお土産は、“元気な顔“。それ以上のものは何も要りません。
・ ・・帰ってしまった後は、気が抜けてとても寂しいけれど、幸せな2泊3日の息子からのすばらしいプレゼントでした。麟ちゃん、礼ちゃん、ありがとう!
・・・さあ、元気を出さなくっちゃ!
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