トップ 庭のアルバム 野の花ブログ Myレシピ
      
 ※各画像をクリックすると、拡大画像がご覧になれます。
お年寄り介護奮闘記2008-09-23
 みなさまのお心をバネにして、9月1日より介護の仕事に奮闘しております。介護は、全くの初心者でしたが、そろそろひと月が経とうとしています。


 新しい職場は、家から車で25分、2006年の12月にオープンしたばかりの介護付有料老人ホームです。4階建ての施設で入居定員は150名、現在140名ほどの入居者がいらっしゃいます。他の施設を全く知らないのですが、結構な大所帯です。


 今月は、9:00〜18:00までの日勤、7:00からの早出や11:00からの遅出を専門にやっていますが、来月からは、月5回の宿直も始まる予定です。


 私が担当している1F、2Fでは、自立の方が少なく、ほとんど認知症や歩行困難な方ばかりです。職員の方の名前もさることながら、入居者の方のお名前や、注意すべき点を覚えるのに必死でした。通常3ヶ月はかかるのだそうです。私は”トロイ”のでもっとかかるかもしれません。


 初日は、一日中男性の入浴介助をさせていただきました。午前から午後にかけて40数名の方たちが、やって来られました。自立の方は、ご自分で歩いてみえますが、車椅子で連れて来られる方も多く半身麻痺の方や起立困難な方ををどう扱ったらよいのか、服やズボンやリハビリパンツ(パンツ式オムツ)の着脱の仕方、お風呂場までの誘導の仕方、洗い方などなど、介護初体験の私は、戸惑うことばかりでした。


 それに、お年寄りといえども、大浴場の中のひしめき合う全裸の男性群の姿には一瞬圧倒されてしまいました!・・・でも、でも圧倒されている場合ではない凄まじい戦場でした。なにしろ、浴室には次々にシャワーチェアーに乗せられた人が運び込まれてきて、洗ってあげなければなりません。腰いっぱいウンコにまみれた方もいらっしゃいます。(・・・不思議と汚いと言う感覚はありませんでした。)


 額にバンダナを巻き、首にタオルを巻きつけて、Tシャツ、短パン姿での入浴介助です。浴室の中は、サウナ状態でおまけにお湯を使うので、顔からも汗が噴出し、バンダナをしていても汗が目に入ります。


 ごった返す脱衣場でも、脱いだ汚れ物と、新しい着替えの入った籠、籠、籠・・・、ほかの方のものと間違わないように区別するだけでも大変でした。
 水が滴るシャワーチェアーから、バスタオルを敷いた車椅子への移乗。座ったままのお年寄りを粗拭きした後、パンツとズボンを膝の位置まで上げておいて、手すりを掴ませ、背後から片手で抱きかかえながらやっと立っていただいて、シャワーチェアーを後退させます。腰やお尻を拭き、パンツとズボンを履かせます。きちんと立てないので、膝が曲った状態で足は震えています。抱きかかえられて数十秒立つのが精一杯です。足腰が湿っているとパンツが引っかかって履かせることができません!どうやら履かせた状態で、車椅子を片手で(時には足で)引き寄せ、車輪の両脇にあるストッパーをかけ、もう一方の手でお尻を支えながら車椅子に座っていただきます。


 スタッフのみなさんも必死なので、分からないことを訊く余裕さえありません。
「あの・・・、この方の着替えは・・・?」
「あそこ!」(あそこと言われても分かるはずありません。たっくさんあるのですから!)
「あの・・・、これは・・・?」
「あ〜!ダメダメ!そんなんじゃダメ!」(ダメと言われても何がダメなのか、・・・チンプンカンプン???)


 11時半に終了する午前の入浴が終われば、ずぶ濡れの短パンを着替えて食堂に走り、昼食の準備のお手伝い。お茶やお絞りを配り、エレベーターに載せられて上がってくる食事の配膳です。名札が付いているのですが、これまたどこに運んだらいいのか入居者の方々のお名前も分からない!


 隣接する洗濯室では、洗濯機と乾燥機をフル回転させるために覗きに行き、空いているのがあればまた回転させます。並行して食事の介助をしたり、食後の服薬介助と下膳、乾燥した洗濯物を畳む準備。食堂の隅っこにある畳の上に個人用の籠や袋を置いていきます。そしてやっと自分の昼食の時間。お弁当を食べながら、スタッフの方に分からなかったことを訊き、持参のコーヒーを飲んで一服。昼休みが終わればまた濡れた短パンに着替えて浴室へ。


 16時過ぎに午後の入浴が終わると、お風呂場の掃除をして食堂兼談話室へ戻り、立ち上がっては危険な方(転倒の危険)の見守りをしながら、夕食のためのお絞りを作ったり、洗濯物を畳んだり、流しに溜まった湯飲み等を洗い、退社30分前から入居者の方々の個人記録表を記入しますが、退社時間までに書き遂せません。(もっとも、この記録表が書けるようになったのは、ぼちぼち入居者の方のお名前を覚えだしてからですけど。)


 入浴担当でない日は、居室の掃除やシーツ交換があります。一部屋の掃除やシーツ交換ならたいしたことはないのですが、10室〜20室をやります。それも、”手早く短時間にきれいに!”なのですから、これがまたたいそうな仕事です!入浴介助と同じくらい大汗をかきます。
 若い男性スタッフでも、シーツ交換は驚くべく感動の早業です!それにひきかえ、私といえば、何やってるの?と言われそうなくらいモタモタ、モタモタ・・・。まるで、女も主婦業もやっていないようなありさまです。


 ひっきりなしに各部屋からのナースコールも鳴ります。トイレのために呼ばれることも多いですが、訳が分からずに4,5分置きにブザーを押される方もいます。どんな御用か訊ねても、ポカンとされていたり、「息子が隣の部屋に来ているから呼んできてくれ。」とおっしゃったり、「家に帰らなきゃ!」と慌てておられたり・・・、認知症の方なので、妄想状態です。


 そんなこんなで毎日が、まるでスポーツジムに通うがごとく暮れていきます!ほとんど動き回っています。とにかく、よく走っています。介護の仕事はハードとは聞いていましたが、ほんとうに肉体労働です。畑作業で汗を流してもあまり水分を必要としなかった私が、今では、持参する2リットルのハーブティーが足りないほどです。


 それでも、今までの“野の花”の仕事からするとまだ楽かもしれません。だって、9時間の拘束時間が終われば自分の時間が持てるのですから・・・。


 学ぶべきことがとても多いです。毎日がとても新鮮です。
 これから、少しずつ、私の目から見た介護現場でのお話をご紹介していきたいと思いますので、どうぞお付き合いください。そして、経験者の方、どうぞアドバイスやお知恵を貸してください。 
コメント
細腕奮闘記大変興味を持ち読んでおります、突然のお仕事変更・・でも奮闘記を読んでいる限りでは少し安心?でも庭の花時間許す限り取り続けて下さい。
(博多の息子より。 2008-10-02)
博多の息子さま、
そんな息子をいつ産んだのでしょう?って、一瞬マジに考えてしまいましたが、・・・S.Nさんですか?

ともあれ、ブログ、読んでいただきありがとうございます。
またどうぞお立ち寄りくださいね。
(“野の花” 2008-10-04)
このブログの内容にコメントします
前の記事へ
次の記事へ

Copyright:(C) 2003 Nonohana All Rights Reserved