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認知症の方とのお付き合い Vol.4(いろんな病気)2009-07-06
 またまた、ずいぶん長い間のご無沙汰をしました。
お伝えしたいことがたくさん溢れているというのに、なかなか余裕がなく瞬く間に数ヶ月が経過してしまいました。


 介護の仕事をするようになって、驚かされるのは、みなさんが認知症に加えていろんな肉体的疾患をお持ちのことです。私は、幼いころから風邪さえも数えるほどしか引いたことがないので、病気というものにあまり関心を持たずに過ごしてきました。ですから、というべきか、常識がないのか、いろんな疾病について全く無知の状態でした。それらの病気のことを知りたくて、遅まきながら少しずつ勉強しています。


 高血圧、脳梗塞、高脂血症、動脈硬化、心不全などの循環器系や糖尿病、腎臓、肝臓の疾患などのいかに多いことか!中でも、高血圧と糖尿は圧倒的です。そしていろんな合併症が見られます。メタボリックシンドロームも脳梗塞に関係しているのですよね。メタボリックシンドロームは、脳梗塞や脳卒中などの合併症にかかるリスクを持っている状態なのだそうです。しかし、メタボでない方にも、多いんですよね。こんなに痩せている方が、糖尿病?高血圧?高脂血症?と思ってしまいます。(すみません、無知なのでご容赦を!)


 なぜこんなにたくさんの病気を抱えていらっしゃるのだろうと、ほんとうにびっくりでした。生活習慣病やメタボリックシンドロームという言葉に慣れ親しんでもうずいぶん久しくなりますが、自然食を考えてきた私にとって、やはり、食生活の乱れだと感じてしまいます。


 手軽に食べれるファーストフードや外食が日常化した昨今、スナック菓子やスウィーツなどの常食、添加物ばかりの食料品、化学調味料が入っていなければ美味しいと感じなくなった舌。
 若い頃は、まだ症状は顕著にはならないことが多いですが、中高年やお年寄りになってきて初めて身体にいろんな弊害が出てくるのだと思わざるを得ません。


 なのに、介護スタッフの昼食を見ていても、カップラーメン、レトルト食品、菓子パン、スナック菓子、缶コーヒー、清涼飲料水の多飲の数々・・・。こんなもので良質な血液が造れるはずはないのですし、肝臓はどれほどの負担を感じているのでしょうか。糖分の過剰摂取も、とても処理できないでしょう。
 誤解を生みますのであまり言わないようにはしていますが、いつも心の中で叫びます。「そんなものばかり食べていると、あの方たちと同じようになってしまうのに!」と。今から出産する若い人たちは、胎児にも影響が出てくることでしょう。


 安価で手軽な食品を食べることによる、将来の自分たちの苦労や医療費にかかる負担は、相当なツケに回されることになると思います。


 私がまだ介護の仕事を始める前でしたけれど、少し前に、中国製の冷凍餃子のことが話題になりました。老人ホームでもそれが利用されていたのでしたよね。


 給食に出された食事を見ますと、厨房で調理したものか、加工業者から仕入れて手を加えたものか分かります。コストを下げるために、輸入野菜も使われているのだろうと想像します。1食が300円足らずのものなれば仕方がないと言わざるを得ませんが。
 ただ、給食がかなりお年寄りの好みや見た目の色彩、季節感などの配慮がされているのは認めます。そして、個人的心情から言わせていただければ、元同業者として、「お疲れさま!ご苦労さまです!」と思っています。ほんとうに、厨房の現場はたいへんなのですもの!


 それから、現代医療では当然でしょうが、施設でも、お通じがよくない方には、殆ど毎日通じ薬が処方されています。しかし、服用されていてもなかなか都合よくはいかないようです。排便の管理はきっちりされており、2,3日お通じがないと、新たな排便促進剤が加わります。そして、怖いことに、その量が少しずつ増えていきます。最終手段として、浣腸、摘便となります。どんどん自然排便から遠ざかっていきます。
 それから、脳血管障害などの麻痺以外で、歩行困難な方々も多いです。足腰を日ごろから努めて使うようにしておかなければ、足はどんどん衰えていきます。まして、施設に入ってからは、自由に歩ける空間も狭まりますので、余程の努力をしなければ、たちまち歩けなくなってしまいます。施設内のわずかなリハビリを当てにしても、ほとんど効果は期待できないでしょう。自助努力がとても大切なことです。
 車椅子での移動が楽だ、寝ているのが楽だと、歩く機会を少なくすれば、足は、どんどん筋力が衰えていき、やがては硬縮してしまいます。膝が曲がったまま伸びなくなるのです。あの、死後硬直と同じ状態です。
 施設に見えられたころは普通に歩かれていた方の脚力がみるみる衰えていくのをたくさん目にします。


 遮断された狭い施設の世界で、健康上の問題で唯一の楽しみである食べ物さえ制限され、介護がなければ、ほんの目の前のものさえ自力で取れなくなってしまうなんて、どんなに辛いことでしょうか?そんな悲しい現実をたくさん見せていただいています。介護の手が足りない現場では、ご本人がどうにか目的を達成しようとして必死で動かれた結果、ベッドからの転落や車椅子ごとの転倒事故も起こります。


 誰しも高齢になったら認知症にならず、人に迷惑をかけず、苦しむことなく、介護の手を煩わせることもなしに、ある日ぽっくりと死にたいと考えると思うのですが、希望や思うばかりでは何の役にも立ちません。『老い』は、必ずやってきます。
 自分の身体のことは、単に人任せにせずに身体のメカニズムやプロセスを知り、身体の声に耳を傾けることがとても大切だと思うこのごろです。


 お年寄りのお世話をさせていただきながら、『老い』というものと向き合っていると、「自分の人生をどう締め括りたいか」と常に考えさせられシュミレーションしているようです。近い将来訪れて来る自分の老後のことに思いを馳せます。(あるいは、老いてしまう前に今生との別れが来ることもありうることですが。)
 いったい、どんな施設だったら自分も入ってもいいと思うのかとか、ホスピスが併設されてるといいなあとか、認知が出て理性が失われたとしたら、どんな人格が暴露されるかなどと。


 もし私が、介護福祉施設を立ち上げるならば・・・、と時々大それたことを想像します。介護施設における介護のあり方にかなり問題が多いことを感じているからです。
 “立ち上げる”という言葉にならざるを得ないのは、私の理想とする施設なんて誰も作ってくれないだろうなあって思えるからです。いえ、そんな器量はありませんからあくまでも想像です。(汗!)


 食品、薬品面からだけ言えば、自然食、自然療法、ホメオパシー(注)をと。
 お通じがよくない方には、薬品など使わずに野菜繊維が多く入ったもの、薄味の昆布の煮物なども食べていただきたいですし、循環器系に一番影響するような動物性脂肪は控えたいですね。(しかし、お年寄りに、何が食べたいですか?と伺うと、以外にも「焼肉が食いたい!」と言われる方もけっこう多いのです。)


 便秘気味の方、お出しを取ったあとの昆布を、お酢、醤油、みりん等を加えてコトコトと薄味で煮込んだものをたっぷり食べてみてください。けっこう効果があるようですよ。それに、昆布はわずか3gで一日の酸性に傾いた身体を中和してくれる働きも持っているそうです。


 想像上の大それた構想や介護現場の問題点につきましては、もちろん、食品の分野だけではありませんので、また別な章でお話できればと思います。もっとも、私の構想は、とても営利目的で出来ることではありませんが。


(注)ホメオパシーとは?
http://www.bigwood.co.jp/jhc/home_01.html


PS 今日、今夏初めての蝉の鳴き声を聞きました。いつもより遅いのか早いのか、何十年生きていてもぼーっと過ごしているのでしょうね。
 夜になったら、玄関前の夜香木の香りも漂ってきました。部屋一杯、やさしい香りに包まれています。
コメント
お久しぶりです。
なんとなく、いかがしてらっしゃることとクリックしたら、お元気にますます深くいいお仕事のようで、嬉しいことです。

あれ以来佐々木さんとのいいご縁が繋がり、よくお会いしてます。 又何かの折にお会い出来お話うかがいたいですね。 これからいよいよ猛暑の日々、御身体無理なさらないでご活躍下さいね。

(   そら (宙) 2009-08-04)
 懐かしい宙さま、お久しぶりでございます!
お元気でいらっしゃいましたか?
 宙さまも相変わらず、ボランティアでみなさまのお役に立っていらっしゃるのでしょうね。


 佐々木さんとのご縁が出来てよかったですね。お二人でどんなお話に花が咲くのでしょうか?その場面を想像しますと、爽やかで澄んだ空気が思い浮かんできます。


 なかなか時間が取れませんが、そのうち、私もお仲間に加えてくださいね。ぜひ、ゆっくりお話してみたいです。


 さつきさんは、ホメオパシーのお勉強をされるご主人に付いてイギリスに行かれるんですよね。
(“野の花” 2009-08-06)
いつも本当にやさしい目でみてらっしゃいますね。

仲間に読ませてあげたいです。

さつきさん個展もすばらしくイギリスへ行かれ、
どのような変わられるか楽しみです。

いつか ゆっくり を楽しみに。。
(    宙 2009-08-07)
 宙さま、いつもありがとうございます。


 介護の仕事を始めて、やっと一年になろうとしています。毎日知らないことばかりの連続ですが、奥が深く、他の方の介護への考え方、他の施設のことなど興味津々です。


 宙さまのお考えやお知恵なども、ぜひ聞かせていただきたいと思っております。
(“野の花” 2009-08-07)
5年間寝たきりだった父が、今年の1月に亡くなりました。あなたの介護日記を読んでいると父が置かれている状況がよく把握できて真剣に読んでいました。
でもこの半年次の日記がないので、お元気にしているのかしらと案じていました。7月の日記を見てホットしました。
幸い母は自分で何でも出来るので子孝行でありがたいですが、いつか父のように寝たきりになった時はいよいよ私の出番かなと心しています。母には動けなくなっても何にも心配しなくていいからね」と安心させることを心がけていますが、その日を想定して「あっこの介護日記」で研修させてもらっています。お体を大切に!
(フリーマム 2009-08-08)
 瑛子さま、お父さま、亡くなられたんでしたか・・・!ちっとも知りませんでした。あなたの悲しみにも気付かずに、ごめんなさい。よく実家に通っていましたよね?昔、あんなにお元気だった頃が夢のようですね。

 お母さまはどうしていらっしゃるのでしょうか?出張料理の際にお会いしたときのご様子など、いろんな思い出が押し寄せて胸が詰まります。もちろん、お父さま思いだったあなたのことも。

 何も言うべき言葉が見つかりませんが、遅ればせながらご冥福をお祈りいたします。そして、お母さまのご健康とお幸せも・・・。あなたもどうぞお元気でいてください。
 
(“野の花” 2009-08-08)
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