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ヘルパー兼メイドの新しい仕事Vol.32009-08-22
 さて、ヘルパー2日目です。
 前回、お母さんとお話をしていて、食べ物の話もしましたし、お嫁さんが、忙しくて自分の食事はかまっていられないということをお聞きしていましたので、前日にメールを出して、「お昼ご飯を一緒に食べましょう!」と提案しました。「12時ころお伺いしますが、仕事開始は、13時からのつもりですので。」ということも付け加えて。


 それで、この日は、餃子、切り干し大根の煮物、床漬け、モロヘイヤの中華風スープ、みょうがの葉の包み団子、昆布の実山椒煮、梅干し、瓜の粕漬け、おにぎりなどを張り切ってお持ちしました。買ったものは、豚ひき肉と白玉粉だけで、あとはすべて、庭や畑のもの、昆布は、お出しを取った後のものです。


 お母さんにも伝えていただいたので、私が伺ったときには起きていてくださいました。
 「お母さん、今から餃子を焼きますので、焼けたらお呼びしますね!」と、私は、お部屋のドアを閉めました。
しかし、テーブルの用意をしてお部屋に行くと、再び入眠されていました。


 「母が眠っているときは、起こさないほうがいいと思います。」とお嫁さんがおっしゃるので、仕方なしに二人で先に食べました。
 「私、お昼に座ったのは久しぶりです。いつも立食なんです。食べることなどどうでもよく・・・。」と言われたお嫁さんの言葉に、日ごろのご苦労を痛く感じました。お忙しいのに余計なおせっかいをしてしまったのかもしれません。


 片付けるころ、お母さんが起きられました。コツコツ・・・という杖の音を聞きつけてお母さんの傍に急行します。
 「○○さん(お嫁さん)が、あんたが何か持って来るからって言いよったけど、何て言いよったか忘れてしもうた。」とおっしゃりながら、ちょっと期待気味!


 お嫁さんは、食後はまたご自分の仕事のために階上に消えられましたが、私は、お母さんが食事をされる間、ずっと横の席に座っていました。お母さんは、食べるのも喋るのも忙しく、1時間以上もかかって召し上がりました。そして、大食家の私と同じくらいの量を平らげられました。中でも、切り干し大根の煮物は、たいそうお気に召したようでした。
 「こんなご馳走は、まるで夜のご飯みたいやね!」と子供のように何度も何度もおっしゃいました。


 一皿ごとに、料理の内容を訊かれて、説明すると、
「ふ〜ん、そんなして作るとね。」
「ふ〜ん、野菜も自分で作ると?それで、梅って今生ってるとね?」
「ああ〜、梅は、梅雨のころに生って、梅干しが夏に出来上がるとね!」
 そんなときの目は、真剣で、ご自分の知らない世界を少しでも理解しようとしていらっしゃるように見えます。


 食事の後は、お母さんのお部屋に行ってお母さんが所属されていた句会の同人誌を、解説付きで見せていただいたり、お父さん(ご主人)がエージ・シュート31回記念に自費出版されたという、ゴルフがテーマのご本を一緒に読みました。すごいんです!ホールインワンもあるんです!
(知ったように書いていますが、実は、”エージ・シュート”という言葉を初めて知りました。)
 

 「往診よもや話」という、医師会出版のエッセー集も読ませていただきました。お医者さまたちの裏話秘話が載ったご本で、たいへん興味深い内容でした。

 
 結局どちらのご本もお借りして帰りました。お母さんに関する情報を、少しでもたくさん仕入れて、何でもお話が通じるようになりたいです。


 こんなこともおっしゃっていました。
「え〜!?あんたTVを観らんと?ぜんぜん?私は、TVでも観ないと時間がどうしようもありません。それに、私は、こんなに人と話したことはないです。いつも、たいていこの部屋で一人で食事(昼食)をしていて、お嫁さんも話はするけれど忙しい人なんで、ほとんど一人です。息子も、口数が少なく、会話をすることがあまりないもんね。」
 このお話は、何度思い出しても目が潤んできます。


 お嫁さんは、いつもそのことを気にされているようです。
「私は仕事があるので、お昼の食事はお部屋に置いて離れます。いつも寂しい思いをさせているんですよ。」と。
 ですから、私が赴くことになったのですけど。



 お母さんとお話をしていると、話題が尽きることはありません。お母さんは、インテリジェントですから、どんなお話をお聴きしてもとても楽しいのです。こんなに楽しみながら、お金をいただいてもいいのだろうかと思うのですよ。


 少し申し訳ないので、数年前に“野の花”で講師を招いて数回やったことのある、“操体法(そうたいほう)”という体操をして差し上げました。
 足の運びが悪いので、ひどいときには、一日に何度も転倒されるのだそうです。
 仰臥位になっていただき、足の指を持って全身を揺すったり、足首を回転させたり、膝を曲げて片方に少し力を入れて倒す簡単な運動です。
 うろ覚えでやらせていただいたのですが、何と効果あり!我ながらびっくりしました!いつもはすり足でソロソロと歩かれるのに、体操の後は足さばきよくサッサッと歩かれたのです。その後は、リビングからお玄関まで数往復の歩行訓練をしました。
 それに気をよくして、右手が上がらないともおっしゃるので、今度は、軽く上がるほうの手を上に伸ばしたりする運動をしました。そうしたら、右手が楽に上がるではありませんか!やったほうの私が、びっくりです!
もっとも、これは続けないとすぐに元に戻ってしまいます。

 元のお医者さま相手に生意気極まりないのですが、少しでも楽になっていただくに越したことはありません。もう一度、真剣に本を読み返してみようと思っています。


 そんなこんなで、この日は5時間。内訳は、お掃除20分、料理30分(料理は、鯵の刺身を作っただけでした。)、残り時間は、お母さんとの楽しいお喋りばかり。


 「あんたも変わった人やねえ。こんな私みたいな人が好きだなんて。」だそうです。
いいえ、私は、一度もお母さんのことを好きだなどと声に出して言った覚えはありませんのに・・・。


 私はとてもお調子者ですから、褒められたり喜んでいただけると、どこまでもご奉仕したくなってしまいます。今度は、何をして喜んでいただこうかとワクワクしてきます。愛おしい恋人でもできた気分で、次回が待ち遠しくてたまりません。
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