食べ物に拘る私はアメリカでの食事のことを考えると少々憂鬱でした。お肉などは食べたくなくて、毎日ご飯と新鮮な野菜の煮物や味噌汁がないととても辛いのです。それに、食品添加物にも弱いです。でも、今回は、その食品添加物だけには妥協しようと覚悟をして行ってきました。
娘のアパートに着くなり、「少し寝たら?」と心配してくれる提案を退けて近くのスーパーに連れて行ってもらいました。
アメリカに限らず、国内で旅行したときも、買う買わないは別として私は必ず食料品店を覗きたくなります。売られている食材を見るとその土地柄が分かるような気がしてとても興味がそそられます。でも今回は、食べ物の確保が一番の目的でした。
私って、生きるために食べるのではなく、食べるために生きているような・・・。
野菜売り場では、日本でもお馴染みの洋野菜の数々。きれい過ぎて立派過ぎる野菜は、日本のスーパーのものとほぼ同じでした。見たこともない野菜もありました。
特別に目に留まったものに、大量に並べられた四角い4cmほどにカットされたレタスの袋詰めがありました。それも硬そうな外葉のグリーンの部分だけです。こんなのを食べるの〜?と思いましたが、たくさん並んでいるというのは需要があるということなのでしょう。
別にサラダコーナーもあって、バイキング・レストランのように細く刻んだ生野菜や調理したマヨネーズ・ソース系のサラダなど数十種類が彩りもきれいにスチールバットに並んでいました。サラダに群がる人は結構多かったです。
ハヤト瓜が売られていたのにはびっくりしました。ハヤト瓜って、ピーマンの形をした淡いクリーム色(淡いグリーンもあります)の瓜です。私は漬物やきゅうりの代用に使うのがほとんどですが、アメリカではやはりスープや煮込み料理の食材なのでしょうか? |
|
日本では、産直市場に恵まれているのでスーパーで野菜を買うことはまずありませんが、今夜の食材を確保するために買えるものを一生懸命探しました。そして、定番の玉ねぎ、じゃがいも、人参の他、きゅうりやトマト、レタス、フェンネル、そしてチキンを買いました。塩味だけでポトフを作ろうと思いましたので。ポトフは、水と塩だけでとても美味しく作れます!
その時つい可愛さに騙されて買ってしまった人参がありましたが、帰って調理をしようと袋から出したところ、鼻をつく塩素の臭いにギョッとしてしまいました。こればかりは使用不可でした。でも、あの形と色はとっても可愛くてちょっと忘れられません。こんな種類の人参があるのかと思いましたが、よく見ると実はあの形に一律に加工してあったのです。
恐る恐る買った玉ねぎのように大きなフェンネルは正解で、ポトフの味を大いに引き立ててくれました。日本ではなかなかお目にかかれません。緑の葉っぱの部分も歯切れよく、みじん切りした生のトッピングが香りと色とで食欲をそそりました。 |
|
広い広い店内を隈なく歩き回って何が売られているのかをしっかり観察しました。
お寿司がありました。見かけは、日本で見かけるものと変わりません。でも、ご飯がつぶれていて糊のようになっています。(笑)
菓子類は、真っ白な砂糖でたっぷり化粧されたケーキ、真っ青な色をしたデコレーションケーキ、ケバイ色のトッピングをしたクッキー。どうして、アメリカ人はこんなケーキが好きなんでしょう?昔、お土産にいただいたことがありましたが、甘さもボリュームも半端なものではありませんでした。
数多くあるパンの売り場も、どこのを見ても砂糖を入れすぎなのか、醗酵が上手くいっていないのかベットリ重々しく仕上がっています。美味しいパンが食べたかったので、どうにも手が出ませんでした。
アイスクリームやチーズ、ハム、菓子売り場は、広いスペースが割かれていてすごい種類でした。清涼飲料水にも原色のカラフルな色がついたものばかり!子供の頃でしたら、きっと嬉しくて楽しくてたまらなかったことでしょう。
お肉を少し買おうと思いましたが、大きなブロック売りで、ミンチも1kg入りのものしかありません。仕方なしに鶏肉を買うことにしました。
ミンチで思い出すことがあります。昔、娘がアメリカ人の友達を自宅に連れてきて、その友達が夕食にタコスを作ってくれると言いました。材料を持参してくれていたのですが、そのときの牛ミンチは、4人分で2kgもありました!レタスなども添えてあったのですが、既製品でパリパリのトルティーヤと山のようなミートソースが喉に詰まって、悪いと思いながらいくらも食べれませんでした。あれ以来、タコスと聞くと私の胃袋は、そのときの状態を思い出します。 |
|
花売り場のカラフルな花たち。はっきりした色のものが多くてブーケの作り方に何だかアメリカのエネルギーを感じました。
アメリカって西洋人も黒人もアジア人も実に様々な人種の人たちが住んでいるんですね。レジで働く人の多くは黒人でした。工事現場で働く人やガードマンなどはメキシコ人が多いと娘が教えてくれました。インド人、フランス人、ドイツ人、中国人もベトナム人も韓国人も・・・、その辺りをちょっと歩くだけで会うことができました。 |
|
素晴らしく楽しいのは、みんながとってもスタイルがよくてカッコいいこと。若い女性の足には、いつも思わず声が出てしまいました。長くて細くて真直ぐで素晴らしくきれいなんです!太っている人でも、足はなぜか細いです。そして、太っていてもなぜだかカッコいい!振り返ってまで見たくなるようなモデル並みにきれいな人もたくさん!・・・私は昔から、きれいな女の人が大好きなのです。
私がカッコいい人を度々目で追いかけていると、「お母さん、そんなにジロジロ見たらダメ!」と叱られてしまいました。ほんとにねえ。
それでもカメラでパチパチやっていると、今度は、「写真を撮るときは、ちゃんと断ってから撮るのよ!」とまた、マナー違反を指摘される始末。
はい、はい!
「May I take a picture of you?」
「Yes!]
期待に応えてにっこり笑ってポーズしてくれた可愛い姉妹たち。
入り口ですれ違うとき、必ずドアを開けて先に通してくれる男性、店に入れば「hello!」、誰かと目が合えば「hello!」。そして、一日のうちに100回以上聞いた「Excuse me」と「Thank you」
さりげなく、爽やかに、日常茶飯事に頻繁に使われているこれらの言葉たち、これはすごいなあと思いました。マナーってやっぱりとても大切ですね。うむ・・・マナーについて心がけるようにしたいです。
そうそう、娘へのお礼のためにももう少し書かなければなりません。
私の食べ物のことで相当な気を遣ってくれたようです。仕事で夜が遅いので週末以外はあまり料理をしない娘なのに、冷蔵庫にはたくさんの食料がぎっしり詰っていました。”ししゃも”まで。
3日連続で観光ドライブに連れて行ってもらった帰りの夕食のためのレストラン。ベトナム料理、韓国料理、イタリア料理をごちそうになりました。ベトナム料理と韓国料理は、私のためにわざわざあちこち試食に行って探してくれたのだとか。私が「美味しい!」と言うたびにほっと息をつきながら笑顔を見せる娘。
食べ物にうるさい母ですみませんでした。(食べ物だけです!うるさいのは。)そして、ありがとうございました。
|