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初めてのアメリカ訪問 part62010-08-10
 この画像は、ワシントンのダレス空港に向かうハイウェーで、バスの一番前の席から見ています。途中、空港とワシントンの中心部を結ぶ地下鉄の工事があっていました。私は、バスで地上部を見れたのがよかったと思います。いよいよ帰路についています。


 長く長くなってしまった今回のブログでしたが、当初は簡単に1回だけで終わるつもりでした。ところが、画像を中心に書き始めると、その画像の多さに、終わらなくなってしまいました。それに、何にも予備知識がないまま訪れているので、その場所がいったいどんな場所だったのかを知りたくなり、帰国してから情報を仕入れました。おかげで、いろんなことを学ぶことができました。予備知識があって訪れていたら、もっともっと深く学ぶことができていたことでしょう。それでも、知らなかったよりはよかったと思っています。


 アメリカは、大きかったです!とてつもなく巨大でした!そして聞きしに勝る経済大国でした。幕末の勝海舟が、坂本竜馬が、ジョン万次郎が目を見張ったのがよく分かりました。よくもまあ、そんな国と戦争をやったものだと思います。幕末の志士でさえ、そんなことは分かりきっていたというのに。


 元々アメリカに興味があったわけではなく、娘の住んでいるところを見たいがために行ったのでしたが、今まで日本という狭い島国しか知らずに暮らしてきましたので、初めて世界の尺度を実感することができました。これこそ、”目から鱗”というのでしょう。確実に世界観が変わりました。


 アメリカで一番驚かされたのは、ハイウェーのスケールの大きさでした。複数のハイウェーが並行して走る中、どこを走っても次々にいくつもの分岐と合流が繰り返され、どこまで行っても遥かに続く広大な大陸であることを思い知らされました。いくら土地を使ってもあり余っているのです。


 次に驚いたのは、建物のアート的な豪華さ、頑強さ、大きさでした。公共の建物は、古代ローマやギリシアを参照して立てられたような古典的なものも多く、ニューアート的な企業の建物もそれぞれにとても個性的な特徴がありました。似たような建物はありません。建築物の多くに、非常に凝った彫刻が施されているのも目立ちます。ホワイトハウスやアメリカ合衆国議会議事堂(写真を撮り損ねました)、リンカーンメモリアルなども、建物自体がアートです。古いものも新しいものも誇らしげに自己主張していて街全体と調和しています。世界の名だたる建築家たちが腕前を競い合ったのでしょう。そして先立つものは、その財力だったのでしょう。
 日本のように似たようなビルばっかりが立ち並ぶ景色は、どこにもありません。街の概観を損なうようなセンスのない広告も見当たりません。


 どこを歩いても、どこを走っても鬱蒼とした豊かな緑がありました。どんなに暑くても木陰には涼やかな風が吹いていました。野リスが走り回り、たくさんの野鳥が賑やかに飛び交っていました。スズメもいましたが、日本のよりもっとセピア色の白人系のスズメでした。
 

 ワシントン、アーリントン、ランカスターだけしか行っていないので、ほんとうはもっとスラム街や、貧富や人種差別を感じる場所もあるのでしょう。しかし、今回はきれいなアメリカばかりを見てきました。巨大経済大国の財力を見せ付けられてただただ驚くばかりでした。


 実は、今回の旅行で、私は1ドルも使いませんでした。使わなかったというより、娘の言葉を真に受けて全くドルに変換しないままアメリカに行ったのです。それに、航空券も旅行会社に勤めている娘のところから送られてきました。アメリカ行きで使ったお金は、福岡空港までの電車の往復と、成田で買ったわずかなおみやげ代だけでした。


 小さな荷物に作務衣と下駄履きという出で立ちでアメリカに着いた翌日、娘は大きな靴専門のスーパーに連れて行きスニーカーを買ってくれました。私は日頃から、下駄や草履履きで動き回っていますのでそれで十分だったのですが、観光で歩き回るにはそれじゃダメだと認めてもらえませんでした。おまけに、ヒールのない他の2足も。旅行から戻ったら、すぐに母の50回忌が控えていましたので、新しい黒い靴はありがたかったです。ペッタンコの茶色の皮のサンダルも、足にフィットしてなかなかいい感じ♪・・・アメリカでは、女性の70%?くらいがこのサンダルで歩いていました。


 たくさんお世話になって、たくさんお金を使わせて、それでも思い切って行ってよかったと心から娘に感謝です。母親の見聞を大いに広げてくれました。
 その娘は来月、9年近く暮らしたアメリカを引き上げて帰国します。旅立ったのは、同時多発テロの起きた年の11月でした。グリーンカードまで取得した彼女は、もしかしたら、一生アメリカで暮らすのかと思っていました。私は、それもいいだろうと思っていました。


 「お母さん、いつも一人にしてごめんね。必ず帰ってきて、お母さんと一緒に暮らすからね。」と、9年間ずっと言い続けてくれていました。娘は、母親が一人暮らしで老いていくのがずっと気がかりだったようです。しかし私は、住み心地のよいところで娘が幸せに暮らしてくれれば、それが一番よかったわけで、まさかこんなに早く帰ってくるとは思いもしませんでした。それに、私は一人暮らしにとても満足して生活していますし、気遣ってくれるほど歳も取っていません。


 アメリカは、多種多様な人種が暮らしていて多文化が共生している自由な国です。そんなアメリカの空気を長年いっぱい吸い込んで、日本の文化に馴染めるのか心配です。しばらくはとても窮屈な思いをすることでしょう。アメリカに帰りたいと嘆くかもしれません。
 もっと身近な問題としては、円高があります。1ドル85円だとすると、アメリカでの貯金も羽が生えたように飛んでいくことでしょう。しばらくは、ドルのままに寝かせておくのがいいかもです。


 「アメリカは好きだけど、でも、戦争ばかりしている国にはやっぱりいつまでも住みたくない。」
ダレス空港まで送ってきた娘がポツリと言いました。


 それでも、アメリカの生活では、さまざまな経験ができ、すばらしい出逢いがありました。たくさんの辛いこともありました。自分の娘ながらよく頑張ったと思います。だからこそ、旅立ちはさぞかし別れがたいものがあることでしょう。
 帰ってきても、福岡なのか東京なのかまだどこに住むのかは未定です。ただ、一番安心するのは、より安全な食べ物を食べれるようになるだろうということと、もっと私の料理を食べさせてやれることです。それに、今まで料理を教えたことがなかったので、これからはちゃんと教えるべきところは教えておきたいです。習いたいと思ったときには母は居ませんからね。


 来年当たりおばあちゃんになれたらいいなあ〜!一緒に住めたら、今まで苦労させた分を償って、孫に思いっきり還元できたらいいなあと思います。それに、アメリカで娘がしてくれた”貯金”を少しずつ返していきたいです。
 国内で暮らしてくれさえしたら検閲がないので荷物だって自由に送れますから嬉しいです。
 たくさんのきれいなアメリカの風景を見てきましたが、やっぱり末永の風景を見るとほっとしました。
 アメリカのお気に入りの風景の中に、緑の木々と草原と小川があっても何か足りないと思いました。それは、今まで意識していなかったことでしたが、私が好きなのは、雲が立ち上る連山や見晴らしのよい丘陵、田んぼや茅ガヤや野の花が風になびく堤などの風景なのだと気づきました。
 明るさ、開放感、緑のグラデーション、365日、毎日見ても見飽きることなくきれいです。


 アーミッシュの人々の生活は、とてもすばらしいと思いました。あんな生活を実践している人々がいることを知って心から嬉しいと思いました。ほんとうは、私もあんなコミュニティーで暮らしたいです。


 でも、カール・ブッセの”山のあなたの空遠く・・・”の詩やメーテルリンクの”青い鳥”ではないですが、”幸い”は、もっと身近にあります。末永の人々も温かくてやさしくて、みんな仲がいいのです。争いを好まずとても平和です。


 まずは、身近な家族を大切にし、溢れる想いをいっぱいに詰めて帰って来る娘を労い、大きな手を広げて迎えてやりたいと思います。そして、この自然豊かな末永の土地で、まだ見ぬ孫たちが土に触れ、野山を走り回り、自然の叡智を学ぶことが出来るように見守りながら平和に過ごしていけたらなあと思っています。


しょうもない写真しか撮れませんでしたが、よかったら見てください。
http://picasaweb.google.co.jp/nohohon.nonohana/Arlington#(アーリントン)
http://picasaweb.google.co.jp/nohohon.nonohana/WashingtonDC#(ワシントン)
http://picasaweb.google.co.jp/nohohon.nonohana/Lancaster#(ランカスター)
コメント
  思わず拍手をしています。
親子の情愛が溢れていて心が洗われるようです。
今まで苦労した分、きっときっとそうなりますって!
どうしていつも大変な道ばかり選ぶんだろう?と思ってました。
どんな時でも笑いに変えてタフに乗り切っていくあなただけど人に優しい分、自分に厳しいところがあるもんね。顔が険しくなるからわかる(笑)
きれいな景色を見るときれいな心になれるのかしら?

きれいな心だから見るものがきれいなのかな?
私はまだまだ修行中の身です。
アメリカ訪問、楽しく読ませていただきました。ありがとうございます。
黙って読んでる方たまにはコメントしてくださ〜い
私だけではもったいないで〜す
(うさこ 2010-08-13)
 うさこさん、いつもしょうもないブログにお付き合いくださりありがとうございます。それに、いつも一生懸命励ましていただいて・・・。やさしいなあ!

 お盆は、お休みなしですか?親孝行のうさこさん、ご両親が待っていらっしゃるのでは?
 道路という道路、今日は特にすごい渋滞の混雑振りでした!みなさん、里帰りの方たちでしょうね。

 「どうしていつも大変な道ばかり選ぶんだろう?」・・・そうなんですか〜?
自分では、とても楽しい日々を過ごしていると思っているんですけれどねえ?
(“野の花” 2010-08-14)
お久しぶりです。
まだアメリカは行ったことがないけど
なんか自分までアメリカに行った気分になりました。
壮大な景色が目の前に広がるようでした。
ありがとう!
(永松 幸樹 2010-11-22)
 幸樹さん、お久しぶりです〜♪
お元気でしたか?
ときどき思い出していました。
たまにはお話がしたいなあと思うことがあります。
(・・・すみません、”ときどき”とか”たまには”というのは、時間的に全く余裕のない生活をしているからであります。)
 お茶でもしながら近況を訊いてみたいです。昔は、よくお話したものですねえ。

 お仕事は大変ですか?さぞかし様変わりしたことでしょうね。天神もサラリーマン生活も遠い遠い昔のことのようです。
(“野の花” 2010-11-24)
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