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おせち料理2012-01-01
 新しい年になりました。
 今年もどうぞよろしくお願いいたします。
(今年は、あけましておめでとう・・・ってちょっと言いにくいですね。)


 一年中、暇さえあればガーデニングに夢中になっていますが、昨年末はクリスマス過ぎからじっくり時間をかけておせちの用意にかかりました。
自宅分と、東京の息子へ送る分、そしてメインは、熊本に居る叔母や叔父のために。
 毎日の慌ただしさの中で、取り敢えず大急ぎで食事の準備をするのはただの惰性ですが、
大切な人のために、ゆったりとした時間を取って心を込めた料理を作ることはとても楽しい仕事です。


 久々に料理をしたなぁ〜と思いました。
そして、やはり私はほんとうに料理をするのが好きなのだと思いました。
小さい頃は、ままごと遊びが大好きでした。
そのままごとの延長とも思える楽しい遊びに、久し振りにはまってしまいました。


 センスや器用さの面からしても決して料理が上手なわけではありませんが、食材も調味料も全て本物を使い、自分がイメージする料理を、味、彩り、照り、食感などイメージ通りに具現化していくのはたまらなく面白い作業です。


 美味しい野菜を、できる限り自分の畑で栽培し、“土からの料理“、”身体に優しい料理“を丹念に作り、料理で作り手のメッセージを伝えることが、私の料理の理想でした。
 電子レンジでの調理や季節外れのハウス栽培の野菜、化学調味料を使う料理は、私にとっては邪道に思えます。


 私の料理の原点になっているのは、祖母や曾祖母の料理です。
上等な出汁も無い時代に、畑で作った野菜を採って来ては短時間に調理してくれていました。
旬の味だからこそたいした調味料も要らなかったのでしょう。


 砂糖がまだ貴重品であった時代、自宅で味噌や醤油を作り、自家製のごまがよく使われていました。
台所の土間の上がり框に腰を下ろして、すり鉢でいつもゴリゴリとすりこぎを回していた祖母たちの姿は、私にとって古き良き時代の象徴のように目に浮かびます。
かまどに羽釜や鍋をかけて、煙と一緒の香りのする炊きたてのご飯と汁物と野菜の煮付けが最高のごちそうでした。旬の素材の味を最大限に活かしたシンプルな料理こそ、忘れられない私の味の原点になっています。


 7年間の“野の花”の料理店を静かに振り返ると、料理に関しては辛いことばかりが思い出されます。
買出しや掃除や生花や雑用が多過ぎて、落ち着いて料理に没頭できなかったのが辛かった理由です。
 やはり好きなことを商売にすべきではなかったのだと思います。
好きなことでお金をいただき、それを生業にするというのは、私の本来の道に外れていたように思います。
本来の作る喜びは、「ああ〜美味しかった!ごちそうさまでした!」の笑顔が見れることにあったのですから、生活を考えなくて良ければ、料理のお代は“お布施”がよかったなぁと思います。


 もちろん、“野の花”に来てくださり、お会いできたお客さまとの至福のひとときは紛れも無い私の心の財産でした。みなさん、お世辞抜きにすばらしい方ばかりでしたから。
料理店をしていなかったら、とてもお会いできないような方たちばかりでした。
 ですから、逆に、そんな方々に、もっとゆったりとした気持ちで作った料理を食べさせてあげられなかったのが辛かったと言うべきでしょう。
 私に道楽をさせてくれるようなスポンサーが居てくれれば、きっと幸せだったでしょうに。(笑)
 ところで、今回作ったおせちメニューです。
品数は大して多くはありませんが、納得する時間をかけて作りました。
紫芋の栗きんとんは、お芋がホクホクで水分が少なかったため、中5個のさつま芋を裏ごしするのに2時間もかかってしまいました。
 しかし、食べてくれる人の笑顔を思い描きながら裏ごしをしていると、楽しくて楽しくて幸せ気分でした。


 サーモンマリネの奉書巻きは、きれいな色のサーモンを輪切りの大根に包み、細切りの人参の帯を締めるのですが、上品な細指でないため、これまた結構時間を食いました。
でも、急がなくていいのはほんとうに幸せなことです。
 睡眠さえ取っていれば、私は連日12時間でも延々と料理に没頭することができます。


1.ヒラスの照り焼き(見かけは鰤に似ていますが、白身の魚なので鰤より上品な味です。)
2.ごぼうの牛肉巻き(自家製ごぼうは、風味が良くとても軟らかです。)
3.親鶏のつくね団子(すり鉢でペースト状にした親鶏ミンチと炒めた玉ねぎのみじん切りに味噌を少々加えて団子にし、油で揚げて甘辛く煮付けます。親鶏は水っぽさや臭みがなくコクがあります。)
4.スペアリブの煮豚と煮卵(ほんとうはバラ肉が美味しいのですが、脂肪が心配なのでスペアリブを使いました。浮かんで固まった脂肪は丁寧に取り除きました。)
5.鯖の昆布巻
6.海老のごま揚げ(海老は、酒と塩を振って下味を付けます。ごまの香ばしさが美味です。)
7.煮しめ
8.サーモンマリネの奉書巻き(極薄にした大根の輪切りとスモークサーモンを香辛料を効かせたレモンのマリネ液に漬け込み、サーモンを大根で巻いて、細切り人参で結びました。)
9.豆腐の信田巻き(湯通しして水を切った木綿豆腐をすり鉢ですり、きくらげ、干し椎茸、人参、ごぼうに下味をつけたものに銀杏を加えて混ぜ合わせ、薄揚げで巻いて薄味で炊きました。卵や山芋などのつなぎはなしです。巻いた外側が煮崩れるので、クッキングシートで1個ずつ包みました。これを3等分に切って盛り付けました。
10.だて巻き(美味しいだて巻きを食べたことがなかったので、だて巻きは不味いものだと思い込んでいました。それで、作ったのも初めてです。でも、自家製のだて巻きは美味しいんですね。これから、毎年作ろうと思いました。)
11.たたきごぼう
12.たたき人参
13.柚子なます
14.ピーナツ田作り(揚げ黒豆の田作りや胡桃の田作りも作りましたが、私的には、このピーナツ入りが気に入りました。)
15.金柑の甘露煮
16.紫芋の栗きんとん(塩茹でした紫のさつま芋を裏ごししてシロップを加えて練り込み、庭で採れた栗にクチナシの実を加えて甘く煮付け、サランラップを使って巾着絞りにしています。)
17.黒豆
18.数の子
19.紅白かまぼこ

 介護の仕事を始めて3年半が過ぎましたが、今年は、また新しい年にしたいと思っています。今やっている個人宅の介護の仕事を1日減らして、熊本に居る叔母や叔父の掃除や料理のお手伝いに時々通おうかなと。
 私が本当に介護をしたかった両親や祖母たちはもう他界していますが、
「あんた、他人の世話ばかりせんで、少しは私の妹弟の面倒も看てよ。」と母の声が聴こえてくるような気がしました。
 それで、まずは年末のおせち作りから始めてみました。


 晦日の21時過ぎに詰め上がったおせちを車に積んで高速を走りました。
叔母の家に到着したのは、23時少し前。
同じ敷地内に住む叔父たち夫婦も、寒い中、ニコニコ顔で袢纏を引っ掛けて出てきました。
「寒かとに、出て来んでいいとよ。ちゃんと、そっちの家にも行くとに〜!」と私。
ほんとうなら寝ている時間なのに、おせちの到着を待っていてくれたようです。
 家には上がらずとんぼ返りで戻って来ましたが、あの嬉しそうな笑顔が見れて、それだけで、何だかとてもいいことをしたような気分になりました。
 「そぎゃんことせんでよかよ。」と変な気を遣わず、素直に喜んでおせちを受け取ってくれたことがとても幸せでした。
 やっぱり、年を取ったら可愛く素直に甘えたほうがいいんです。若い人に!


 息子からも、
「明けましておめでとう!
今おせち料理届いたよ。
すごいご馳走やね。
大事に食べるね。
本当にいつもありがとう。
今年もより良い年になるように頑張ろうね。」ってメールが来ました♫
コメント
あけましておめでとうございます。
美しくて美味しそうなお節ですね。とっても手が込んでいそうです。
きっときっと、すご〜く美味しんだと思います。
昨年、お邪魔してご馳走になったので、写真を見ているだけで、心のこもったお味が口の中によみがえる気が致します。私も、伊達巻は必ず手作りします。
市販の味とは違いますよね。サーモンマリネの奉書巻、きれいですね!作ってみたいです。
千枚漬けと生ハムで似たようなものはつくりますが、
それは市販のものの組み合わせですから、手をかけたあっこさんの奉書巻とは比較にならないですぅ〜。
それにしても、息子さんに送って、熊本まで宅配ですか?あっこさんは本当に尽くし型のようですね。
叔母様、叔父様はお幸せですね。

奈良の方、時々雪が舞ったりとかなり寒いです。
末永も冷え込んでいることでしょう。
薄着しないで温かくなさって下さるようお願いいたしますね。
(吟です 2012-01-06)
 吟さま、コメントありがとうございます。
 拙い料理を熟練のお料理家にご覧いただいて、頭ポリポリ・・・って感じで・・・ああ〜、はずかしい!
書くときは夢中で書くのですが、あとで読むと気恥しく厚かましいですよね。すみません。
ま、私の人生の記録ということで考えてくださいませ。

 本格的な冬が始まりましたが、お酒が美味しい季節でもありますよね。
吟さんのお店の美味しいお酒に添えられた美味しいお料理を想像します。
食べに行くのを楽しみにしていま〜す。

 春の花たちが、寒い土の中で息を潜めてエネルギーを蓄えています。春は直ぐにやってきますね。
 体調を整えて、今年もみなさんに笑顔と美味しさを提供してあげてくださいね。
応援しています。

 P.S お年賀状の”地中海の夜明け”、すばらしいお写真でした!いい旅なさったんですねえ。
(“野の花” 2012-01-07)
新しい年爽やかに日々お過ごしのことと思います。
ブログゆっくり読ませていただこうと思いながら、今日ちょっと拝見したらもう圧倒され、全てに亘りどこまで心と技をつくされてるやと、年を経た同じ主婦ながら感嘆と、真似もできない自分にため息出るのみです。   私は後期高齢者の運転の記憶力テストに、こんなの若い人でもできないよ!と愕然とし、又一方
西陣のリヤカーにせりや菜の花みつけ、春のやさしさしみいり,ゆる〜い幸せ感じたり、あるがまま、ながれるままの日々です。       
(そら 2012-01-21)
 そらさま、久々のご訪問ありがとうございます。
相変わらず、若々しい躍動が感じられるお言葉だなぁと恐れ入ります。

 「後期高齢者の運転の記憶力テスト」・・・、わぁ〜、たいへん!
記憶力なんて、日々下降線を辿っていますよ〜!

 ところで、私の脳裏にはいつも、相田みつをさんの、”親切とゆう名のおせっかい・・・”という言葉が過ぎります。(笑)

 これまでの自分の人生の恩送りをするためには・・・?っていつも考えるんですけどねえ、歳を取るにつれ、いただいた御恩の多さ、非礼の数々が想い浮かびます。
”若気の至り”に今頃になって赤面することの多いこと!(継続中かも?)

 ええ、西新のリヤカー部隊は好きですねえ。
昔は私もよく通っていました。
 セリや菜の花は、やさしく甘い郷愁を誘ってくれますよね。
 先日は、ふきのとうを見つけましたよ〜!
(“野の花” 2012-01-22)
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