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ふくちゃん2013-02-03
 ねこのふくちゃん(♀)がうちの子になって2か月が経ちました。


 昨年12月2日夕方近く、庭仕事をしていると、ふらりと庭に入り込んできました。
妙に人懐っこくて、日没を気にしながら大急ぎで仕事をしている私の膝に上りたがって困りました。私は、春の苗を植えるための花壇のスペースを作ろうと、堆肥を入れながらドクダミの根っこと格闘していました。
払い除けても除けてもよじ登ってきました。(爪が痛〜い!)
どうしても膝に上げてもらえないと分かると背中に負ぶさってごろごろと喉を鳴らしました。
お腹が空いているのかとキャットフードをやりましたがあまり食べません。
しつこく上ってきて、しつこく引きずりおろして、しばらくは傍らで「ム〜・・・」と言いながらじっとしているのですが、またやってきます。
そのうち、いつしか辺りもとっぷり日が暮れて、見渡すともう姿がありませんでした。


 翌日、午後からまた庭仕事を始めるとどこから来たのか、再び傍に来て昨日の繰り返しになりました。
私の庭にやってくる食客さんたちが、自分のことを棚に上げてよそ者とばかりに寄って来ては威嚇するのですが、花壇の土の上で背を丸めていたふくちゃんは、微笑むように目を細めておっとりとしていました。(全く無関心!)
そして、思い出したようにまた私の膝によじ登ろうとするのです。
その日は、日没になってもずっと傍にいました。
私はひっきりなしに動いていたので寒くはなかったのですが、気温は5〜6度だったと思います。
 キジーがまた不機嫌になって家出することが案じられましたが、夜にはもっと気温が下がることを思って仕方なしに家に連れて帰りました。
子ねこではなく、2〜3歳になっているのかもしれません。
 痩せて背骨が飛び出ていました。
何にも食べないでいると、体重が1日で100g減るのだそうです。
とすると、ふくちゃんは10日くらいさ迷っていたのでしょうか?


 初対面だというのに、警戒心がなく人を恐れない穏やかな様子は、つい最近まで人に飼われていたのでしょう。
膝に抱かれるのが当たり前の生活だったとすると、多分お年寄りに飼われていたと思われます。


 何を要求しているのか、ハスキーな声でうるさく鳴き続けました。
お腹も空かしていたようですがキャットフードは、食べようとしません。
缶詰も食べません。鯵を炊いてやりましたが、これもダメでした。
それで、水出しで取った後のいりこをやるとやっと食べてくれました。
食べ終わるとまた激しく鳴き立てます。
私の膝に座るとおとなしくなるのですが、私も忙しいので抱いてばかりいられません。
 夜になって、私のベッドに連れて行くと、枕に頭を並べて眠りました。
夜中に私がトイレに起きると、目をぱちくり開けて不安そうに眺め、ベッドに戻ると「ミャー!」と安堵の声を上げ安心してまた眠りにつきました。
2日経ち、3日経っても、一週間が過ぎても、家の中で鳴いてばかりいました。
食事時や作業をしていて私が座っていると、横に居て落ち着いてじっとしているのですが、立ち動いていると鳴き出します。
家飼いの子だったらしく、外に行こうともしません。
何を訴えているのか見当が付きませんでした。


 ひと月ばかり過ぎて、やっと少しだけふくちゃんの要求が分かってきました。
「寒い」「眠い」「お腹が空いた」のほぼ3つです。
☆「寒い」・・・抱っこして!ホットカーペットもおこたもいや!
☆「眠い」・・・ベッドに行って一緒に寝よう!夜11時を過ぎたら騒ぎ出し、午前0時を過ぎると火がついたように鳴き出します。赤ん坊と一緒です。
☆「お腹が空いた」・・・でも、これは、好物がいまだに分からず、ほんの少し前までは、出汁を取った後のいりこと、わずかに食べるようになったキャットフードだけでした。乾燥したいりこは好みではないようです。
おかかも、鰯も、肉類も食べませんでした。


 どうやらふくちゃんは、“めちゃかわいがられた深窓の家猫“だったようです。
社会性が全くないために他のねこに興味を示さず、庭に出しても何をしてよいか分からずじっと私の庭仕事のお供をしているだけです。犬にさえ平気で近づこうとします。
 家に入れる儀式で即シャンプーをしたのですが、たちまち風邪を引いて一週間くらい鼻水を垂らしていました。もちろん入浴後はドライヤーで乾かしファンヒーターの傍で温めてやったのですけど。
 まずは、基本的自立のしつけからと、新年になって一人寝ができるようにふくちゃん用に40cm四方の小さなホットカーペットと寝床を買ってやりました。(ねこは狭い空間が好き!)
これはまずまずの効果をもたらしました。一旦寝ると熟睡して数時間は静かになりました。

 
 よほど大事に飼われていただろうふくちゃんの旧飼い主のことを思うと、捨てられたとは考えられずに、お年寄りがさぞかし寂しがっておられるだろうと、警察や保健所に問い合わせてみましたが、届けは出されておらずに飼い主を探す手立てもありません。


 11歳になったキジーは、高齢になった気難しさも加わって、相変わらず新しい住人に気を許さず、納屋で寝る生活を続けていましたが、洗面所を専用の部屋としてもらってからはどうにか家で寝てくれるようになりました。(ふくちゃんの侵入禁止)
ふくちゃんと同じように、小さなホットカーペットと新しい寝床をもらって。(キジーの寝床は、お年寄り向け?でとっても地味です!)


 そんなふくちゃんが、先月下旬(1月20日)から体調を崩して5日間も入院しました。
最初は、6cm×2.5cmもあるような楕円形の毛玉を吐きました。子ネズミを丸ごと吐いたのかと見間違うほどでした。その嘔吐以来、何も食べなくなりました。
吐き気が止まらず、翌日は体力が落ちて目がうつろになってきたので慌てて病院に連れて行きました。
エコー検査の診断は、腸炎。
しかし、2日経っても容体は変わらず、栄養剤を注射してもらうとしばらくは元気なのですが、水を飲んでは嘔吐を繰り返すので通院を重ねました。
腸内にサナダ虫もいるようだと、首の後ろに虫殺しの薬を塗布してもらいましたが、好転どころか病状がひどくなっていくばかりでした。結局開腹手術してみないと原因が分からないとのことで、とうとう入院させることになりました。
  動物病院では、迷いねこを保護していることへの配慮でしょう、「僕だって、この子を助けたいです。お金はそんなにいただきませんからぜひ決めてください。」と好意的に手術を勧められました。
おかげで手術代+入院費は、わずか28,000円で済みました。通常だと10万円は下らないのではないかと思います。わずかと言っても、比較して安いのであって、やはり高い出費でした。(通院の治療代は、別に2万円ほど)


 入院翌日、獣医師からの電話連絡で、「手術の結果、毛玉と便が腸内で固まっていましたよ。」まではよかったのですが、「腸間に親指ほどのリンパ腫がありました。・・・多分悪性の・・・。」
「細胞が飛び散ってはいけないので腫瘍には触れていません。」とも。
「腸炎からのリンパ腫だったら直る可能性もあるのですけどね。」と慰めてはくれましたが、どうなのでしょう。(望み薄だなあ〜)
実際、退院の時に、手術時の画像を見せてもらったのですが、かなり大きな腫瘍でした。
ふくちゃんのお腹には、10cm以上の手術の痕がありました。


 さて、術後4日目に家に帰ってきたふくちゃんは、元気に動き回れるようになっていましたが、まだ十分に腸がつながっていないので、「2日半はキャットフード20粒くらいをお湯でふやかして一日二食」との食事制限がありました。
飢餓状態になり、お腹を空かせた赤ん坊のようにありったけの声を張り上げて食べ物を欲しがりました。
この際、キャトフードは嫌いだなんて言っておれずガツガツと食べました。
 夜中もお腹が空いて我慢できずに、一緒に寝ている私のほっぺや鼻や唇を噛んだり(甘噛み)、鼻を私の顔に強く押し付けたりしてひっきりなしに私に訴え続けました。
おかげで2日間は私も睡眠不足。でも、睡眠不足よりふくちゃんの鳴き声を聞く方が辛かったです。


 飢餓を経験したことで、ふくちゃんの偏食は直りました。
缶詰もキャットフードもお魚も食べるようになりました。
でも、悪性腫瘍だったら、あと半年生きられるでしょうか?


 ふくちゃんとの縁を大切に、生まれてきて幸せだったと思ってくれるように、せめて大事に育てながら見守っていきたいと思います。
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