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真里さんの菜の花2013-02-10
 真里さんは、末永で営農をされている方の一人です。
 出荷用の作物として、秋から冬にかけて菜の花を栽培されています。

 家庭用としても数々の野菜を作られていて、クマの散歩のときに農作業中の真里さんに出会って挨拶や軽いお話をして通り過ぎるのが楽しみです。
遠くからでも姿が見えると、「ま・り・さ〜ん、こ・ん・に・ち・は〜!」
と声をかけます。
出荷の準備作業をされている倉庫にお邪魔して、お野菜を分けていただくことも多いです。


 1月末から、菜の花の出荷の最盛期を迎えて大わらわの真里さんです。
少し暖かくなって、俄かに花芽が伸び蕾が色づいてきたからです。


 収穫は、12月に入ると始まり3月末に終了します。
1番苗、2番苗、3番苗と時期をずらして植えられています。
1番苗の花が咲き始めるころ、2番苗の収穫が始まります。
今の時期、3番苗はまだ15cmくらいの株に成長したばかりです。
(これは真里さんの場合で、5月まで出荷を続けられる方もあるそうです。)
 真里さんの菜の花の出荷準備を今年初めて見せていただいて、目をまん丸くしました。


 「へ〜え、こんなして詰めるんですか〜!」
「こんなにぎゅうぎゅうに詰めるんだ〜!」
「ああ、下にラベルが敷いてあるんですね!」
「きゃあ〜、こんなにして詰められたのが、あの店頭に並んでいる菜の花なんだ!」
「まあ、あなたみたいに面白がる人は初めてよ。あなたも変わったことに興味を持つねえ!」


 コンテナ数杯分の菜の花を横に小さな木箱を手に持って、長い葉っぱをむしりながら1本ずつその箱に詰めていきます。
 ぎゅうぎゅうに詰めた菜の花を蓋で圧縮して抑え込み、包丁で切断して箱の長さに揃えます。
下に敷いたラベルで包み、セロテープで張り付けて完了です。
 作業は単純ですが、一束作るのに5分はかかり、何百束も作らなければならないので根気のいる面倒な作業です。


 不思議に思うのですが、出荷用の菜の花は蕾がまだ幼くて完全に緑でなければなりません。蕾が膨らみかけていたらもう商品にならないのだそうです。


 「真里さん、私が菜の花の料理をするのだったら、少し黄色の花が咲いているのが春の雰囲気を出していていいと思うんですけどね。」
「だって、JAの規格がそうなんだもの。」
「ほんとに消費者はそうかしら?他の料理店もきっとそう思うと思うなあ!」
「うん、料理屋さんとかは、少し花の咲いた2級品を安く買いんしゃるらしいよ。」
「ねえ、そうよねえ。だって緑ばかりじゃ菜の花の良さが分からないじゃないですかねえ!」
「仕方ないと。そうせな出荷されんではねられるっちゃもん。」
そう言いながら、手も目も忙しく商品を見定め、蕾が少しでも膨らんでいるものは廃棄処理のコンテナに投げ込まれていきます。
(ほんとうは、その投げ捨てられた太い茎の部分がいちばんおいしいんです!)


 そうやってはねられたものは大量に、私も含め近所に方たちや知り合いの人にもらわれていきます。
 「そうそう、花が咲いたところの菜の花は、もう勝手に摘んでよかよ。あそこのはもう終わったけん。」1番苗の畑のことです。


 料理店をしているころは、この花の咲いた菜の花をいつもいつもいただいて、黄色の花を摘み取り、おじゃこやゴマを入れて菜の花ご飯を作っていました。・・・黄色の花が、春の訪れを告げているようで、作りながらワクワクしたものでした。
 「ねえ、真里さん、ブログに出してもいいですか?」
「まあ、そしたら日本中の人が見れると?」
「うん、日本中じゃなくて、世界中の人が見れるよ!」
「まあ、よかねえ!私が、世界中の人に見てもらえるなんて!」
「うん、だからね、これは取材です!(笑)」
「まあ、取材!、かっこ良かねえ!」


 この菜の花の出荷作業を面白がっている私を真里さんは笑ったけれど、私もこのブログの件で素直に喜んで驚いている真里さんが可笑しかったです。


 真里さんの菜の花は、甘くてとてもおいしいです。
茹で過ぎ厳禁!さっと湯通しするだけで食べれます。
近所の養鶏場で分けてもらうEM菌入りの鶏糞を使っているのだそうです。


 思い出せば・・・、
私が料理店をしているころ、若い葉大根が欲しくて、真里さんに訊ねました。(初秋のころです。)
「ああ、ごめ〜ん、今はないとよ。・・・私、ちょっと(車で)走って買ってきてやろか?あなた忙しいとやろ?」
自分だって忙しいのに、気を遣ってくれた真里さんの優しさが忘れられません。


 末永に引っ越してきたてのころ、近所の方たちとまだ馴染みが浅く勝手が分からなかった私に、真っ先にいつも温かな声をかけてくれていたのも真里さんでした。
 私より少しだけ年上ですが、お母さん、お姉ちゃんの雰囲気を持った人でいつも癒されています。
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