トップ 庭のアルバム 野の花ブログ Myレシピ
      
 ※各画像をクリックすると、拡大画像がご覧になれます。
お正月野菜のお届け2006-12-29
 外出から帰ってくると、玄関前にお野菜がたくさん置いてありました。たぶん、博城(ひろき)さんというおじいさんからのいただきものです。普段もよくいただくのですが、暮れになると必ず、お正月用にと言って持って来てくださいます。
 近所で博城さんにお会いすると決まって、「ああ〜、ちょっと!野菜のあるけん、家に寄って持って行きんしゃらんですか。なかなか、忙しゅ〜て持って行ききらんとですよ。」と言っては、いつも季節ごとにたくさんのお野菜をいただきます。
 「おじいさんの野菜は、有機栽培やけん美味しかとよ!」とは、いつもおばあさんの幸枝さんの口癖ですが、本当に甘くてやわらかくて美味しいです。お漬物作りも名人で、博城さんの壷漬けは絶品です。納屋には、10斗樽に数年物の壷漬けがいくつも並んでいます。
 とても教養もある方で、近所の方々も一目置くような存在ですが、やさしくて丁寧でとても腰の低い方です。夫婦仲もよく、「おじいさんは、優しかもん!」って、幸枝さんが顔をクチャクチャニしておっしゃる顔も可愛いです。
身障者の会の会長など色んな役もこなしておられ、一日中朝から晩まで、それはそれはよく働かれていて、そんな姿を見ていると頭が下がります。
 私が、ここに住み着いた5年ほど前は、幸枝さんもお元気で、博城さんが作られたお野菜を、幸枝さんが自転車で何十軒も配達に回っておられました。しかし、幸枝さんの体調が余りよくないものですから、今では、博城さんが配達も兼ねておられるのです。
 共稼ぎの娘さん夫婦、お孫さんたちと、新築の豪邸にお住まいですから、もう働かれなくても良いご身分なのに、せっせと広い畑で、野菜、米などを作っていらっしゃいます。もともと、販売用に作られているわけではなく、人に上げるためなのです。
 「もう、人に上げる分まで作られなくても良いじゃないですか?大変でしょう?」と、疲れていらっしゃる博城さんに言うこともあるのですが、「はあ〜!」と言いながら笑っておられます。生きているうちは、働かないではおれないという方なのでしょう。だんだんと腰も曲がっていらしたので心配です。
 時々、ありあわせのお返しを持って家に行くと、幸枝さんが、ニコニコ顔で「よう来た!よう来た!」とばかり、泳ぐように両手を前に振りながら玄関まで歩いて来られます。
「新米があるとよ!お餅もつき立てのあるよ!それから、漬物は?ああ〜、白菜もたくさん採ってあるたい!」他に何か上げるものはないかと、ウロウロしながら一所懸命探されます。「もう、いいから、いいから!」と幸枝さんの袖を引っ張りながら、涙が出そうになります。そして、もっと頻繁にご機嫌伺いに来なければと思ってしまいます。
 ・・・汗水たらして一生懸命に人のために作られたお野菜。私にまでいただいて、いつも感謝しています。
お二人とも、いつまでもお元気でいて欲しいです。
このブログの内容にコメントします
前の記事へ
次の記事へ

Copyright:(C) 2003 Nonohana All Rights Reserved