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ツヨシロへの追悼2007-01-06
 昨夕、ツヨシロが一息を引き取りました。
昨日は初仕事でしたが、朝から容態が悪く息づかいが荒かったので、お客さまにデザートをお持ちしてすぐに温灸を始め、背中をさすってやりながらずっと傍にいてやりました。
 身体中で息をしながら、ひとつの命が燃え尽きようとしていました。小さな身体が、最後の活動を続けていました。そんな様子を見ながら私も覚悟を決め、ツヨに早く楽になって欲しいと思いました。
 夕方になったので我に返って台所を片付け、また傍にいて話しかけたりしていましたが、最期にはゆっくり傍にいてやれるよう、様子を見てクマの散歩に出かけました。30分くらいだったと思います。散歩から帰る途中、クマは家の前の畑で、いつもより念入りに草を食べ続けました。
 家に戻って来てドアを開けるのが怖かったのですが、恐れていたことが現実となってツヨはもう息をしていませんでした。まだ十分に温かく、息を引き取ったばかりだったのでしょう。待っていてくれると思っていたので呆然としてしまいました。
 息を引き取るときは、私の腕の中で逝かせたいと思っていました。何度も何度もお別れはしましたが、でも旅立つときには居てやりたかったです。もう一度目を開けて「さよなら」を言って欲しかったです。
 クマがあの時、草を食べ続けなければ・・・、もう少し早く散歩に行っていたならば・・・、もう少し早くから看病してやっていたならば・・・・・。
 たった4日間の看病でした。ベランダの窓越しに、ダンボールの中からずっと私を見つめて「ぼく、ほんとうに具合が悪いんだ」と言っていたのにそのメッセージを受け取ってやれませんでした。あの目が忘れられません。
・・・・・謝っても謝っても後の祭りです。一人で逝かせてしまいました。
 前々夜は少し気分が良かったのか、驚くことに階段を登って2階の私の寝室までやって来ました。日ごろは家の中に入れることはなかったので、部屋の間取りなど知らないはずなのに、動物ってそんなことはちゃんと分かってるんですね。せっかく来たので、ベッドに上げてやりました。明け方までは、確かにベッドの上にいたのですが、私が起きたときは、生気なくフローリングの冷たい床の上にうずくまっていました。ベッドの上は、ツヨのお漏らしで一杯でした。慌てて階下に下りて、お薬を飲ませたりしながら湯たんぽを入れたダンボールのベッドをキッチンのストーブ前に置いてやりました。息づかいが荒く心配でしたが、仕事があるので添い続けることもできず忙しく立ち回っていました。
 むかし、何かで「死ぬ前のネコは、身体を冷やしたがる」というのを読んだことがありました。温かさを心地良さそうにしていたのに、しきりに箱から出たがり、冷たく体温の下がった身体を床の上で更に冷やしていました。ミケもkikiもそうでした。
 料理をしながら時々声をかけ、衛生上のことも心配で、ツヨを触った手を石鹸で洗ったり、消毒をしたり、床も1時間おきに消毒をしました。
 お客さまにデザートの用意をしているとき容態が変わったので、急ぎデザートをお出し、お客さまに事情を話してツヨに温灸を始めました。少しは楽そうになりましたが、温灸はもう無駄で臨終のときを迎えていることが分かりました。どうすることもできず、背中をさすったりしながら何とか呼吸を楽にしてやりたいと願いました。
 初めてのお客さまでしたが、“野の花”のHPでブログをご覧になっていたので、お客さまにお食事をお運びしている途中で「ネコちゃん、どんなですか?」と訊いてくださり、ご自分の愛犬にびわ葉温圧や、びわの種や玄米おもゆを施したお話を伺いました。昨日がそんなお客さまだったことにとても感謝しています。
 デザートをお持ちしたとき、「これからネコに温灸をしてやりたいので失礼します。」と思い切ったわがままも言うことができました。テーブルの上に残っていたご飯のお茶碗やら、デザートの食器やら、お客さまが、キッチンまで持って来て、手が離せない私の横を過ぎてそっとテーブルの上に置いてくださいました。

 今日が、お客さまのご予約がなかったのはとてもありがたく、昨日から今朝にかけて、抜け殻のようにして過ごしました。パソコンに入っているツヨシロの姿を眺めてばかりいました。
 気を取り直して、午後から庭を掘ってツヨシロのお墓を作りました。昨日、お客さまのために使おうと、畑から採ってきていた菜の花が、ツヨのための献花となりました。
 もう一度、元気なツヨに会いたくてたまりません。
別れは辛いけれど、でも幸せをくれたことの喜びの方がもっとたくさんでした。
 ツヨちゃん、ありがとう、そしてさようなら・・・・・
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