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「1/4の奇跡」の映画上映会2008-08-05
 ずいぶんと日にちが経ってしまいましたが、先々週の土曜日(7月26日)、
「1/4の奇跡」という映画の上映会をさせていただきました。


 このお語は、養護学校教諭の“かっこちゃん”こと、山元加津子先生と学校の生徒さんたちの交流をもとに構成されているドキュメンタリー映画です。
 「病気や障害にも意味がある。すべての存在やすべてのことには意味があり、必要だから存在している。」ということを証明してくれるような映画でした。


 私は、障害者の方とほとんどお付き合いをしたことがありません。そして、障害者のことをほとんど知りませんでした。だから、映画の中でかっこちゃんが色々と生徒さんたちとのエピソードを紹介されるのを聴きながらとても驚きました。
 五体満足で健常者だと思っていた私でしたが、心や感覚は、障害者の方たちの方が、遥かに健常者なのだ!と、まさに目からうろこでした。
 まず、原田大助君のお話が出てきます。かっこちゃんのかけがえのない友達のひとり、「大ちゃん」のお話です。はじめは気持ちが通じ合えなかったふたりが、仲良くなり、そして大好きどうしになって、やがて心が通い合うようになっていきます。
 大ちゃんがかっこちゃんの勤務する学校に転校してきたのは小学校の6年生のときで、かっこちゃんが担任になったのは、中学1年生のときでした。


 大ちゃんは、自分で“執筆家”と称して、毎日毎日、原稿用紙に数十枚の文章を書き続けていましたが、残念ながらその文字は誰にも読めなかったそうです。かっこちゃんは、ファミコンが大好きな大ちゃんのために、翌年の春、教室にワープロを持っていきました。大ちゃんは、たいそう喜んで、教えもしないのにたったの1時間で、その入力方法をマスターしてしまったのだそうです。文字の拡大や漢字の変換までです。


 以下は、(大ちゃんの詩)からの引用です。
http://www.nsknet.or.jp/~toshiya/dai/index2.html (詳しくはこちらをご覧ください。)


 大ちゃんに「何書く?」とたずねると、「友達の名前を書く」と答えました。最初に大ちゃんが入力した言葉はクラスメートの泰範(やすのり)くんの名前でした。「やすのり」と入力して変換しても「泰範」の文字は現れません。どうするかなあと見ていると、「お家安泰」と入力して、「お家安」を消し、「模範」と入力して「模」の字を消したんです。


 すごく驚きました。そして、とてもショックを受けました。私はそれまで大ちゃんに中学の教科書は難しいだろうと思って小学校一年生のものをずっと使ってきていたんです。
 それから大ちゃんは、すぐにすごいスピードで文字を打てるようになりました。そして、打ち出される文章には大ちゃんの気持ちがいっぱいあふれていました。
 ワープロの文字は、みんなが読むことができました。「すごいね、すごいね」とみんなが言うと、大ちゃんはとてもうれしそうでした。大ちゃんはそのとき、文字は人に気持ちを伝えられると知ったんだと思います
 それから大ちゃんは、あれほど練習しても書けるようにならなかった「読める字」を書くようになりました。・・・・・・きっかけは、一台のワープロでした。


 それから「ある」ということについて大ちゃんは、いろいろと考えて詩をつくりました。



 葉っぱだって 石ころだって
 そこにあるだけで
 心を動かす力がある。
 それが”ある”ということなんかな


 僕だってそこに”ある”
 ”ある”ものはみんな大切なんや


 僕が生まれたのには 理由がある
 生まれるってことには みんな理由があるんや



 僕は僕やから、
 大切にできる。
 僕は僕やから
 がんばれる。
 僕が僕やから
 好きになれる。
 笹田雪絵ちゃんのお話も出てきます。
雪絵ちゃんはMS(多発性硬化症)という病気を持っていました。発熱のたびに、だんだん症状が重くなって、しまいには、身体が動かなくなって目も見えなくなってしまう病気だそうです。


 雪絵ちゃんは口癖のように「私はMSであることを後悔しないよ」、「MSである雪絵をそのまま愛しているよ」
「だってね、MSになったからこそ気がつけたことがいっぱいあるよ。もしMSでなかったらその素敵なことに気がつけなかったと思う。私は、気がついている自分が好きだからMSでよかった」と雪絵ちゃんは言います。
雪絵ちゃんは、起こるすべてのことに、「よかった!」と心底言える人でした。


(詳しいお話は、「雪絵ちゃんの願い」でも読むことができます。)
http://www005.upp.so-net.ne.jp/kakko/eigoyukie/yukiechanswish2.html


 かっこちゃんが、今のような活動を真剣に始めるきっかけになられたのは、雪絵ちゃんとの約束があったからだといいます。ある日の病室で、雪絵ちゃんから、「なんか元気になる話をして・・・。」と頼まれて、かっこちゃんがされたのは、昔観たNHKの「人体掘廚箸いΣ奮愴崛函◆1/4の奇跡“のお話でした。


 アフリカで、マラリアが大発生したとき、その村が絶滅してしまうのではないかと危ぶまれたほど、たくさんの犠牲者がでたのに、マラリアにかからない人がいるということが分かった。調べてみると、多くの人たちの赤血球は、ハンバーグをつぶしたような形をしているが、三日月のような形をした鎌状の赤血球を持っている人はマラリアにかからないということが分かった。それで、さらに鎌状赤血球を持っている人の兄弟を調べたら、鎌状赤血球を持っている兄弟のうちの1/4の人は、鎌状赤血球を持っていて、障害も持っていた。そして、鎌状赤血球を持っている兄弟の2/4の人たちは、鎌状赤血球を持っていて障害はなかった。そして残りの1/4の人は、鎌状赤血球も持たず障害もないということが分かった。で、マラリアが大発生したときに、この人は鎌状赤血球を持っていないので亡くなってしまう。で、生き残ったのは、この3/4の人だと。


 番組の締めくくりで、「この村を救ったのは、この鎌状赤血球を持っていて、障害のない2/4の人たちである。けれども、この2/4の人が、ここに存在するためには、この1/4の障害を持っている人たちが、存在しなければ、この2/4の人たちは決してここに存在しないのだ。たとえば、障害を持っている人はいらないんだと思って切り捨てていっていたら、けっして、この2/4の人たちは生まれていなかっただろう」「しいていえば、この村を救ったのは、この1/4の障害を持った人である」と、番組に出られた医者や科学者の方たちは、おっしゃっていました。


 
 と、かっこちゃんは、雪絵ちゃんにお話をされたことがあったのですが、雪絵ちゃんが亡くなる数ヶ月前に雪絵ちゃんは、かっこちゃんにお願いをしました。


 「かっこちゃん、前にね、障害とか病気とかとっても大切なんだよ。科学的にも証明されているって言ったよね」って。「言ったよ」って私が言うと、「人は障害があるとかないとか、そんなことじゃなくって、誰もがみんな大切だっていうことも科学的に証明されているって言ったよね」
「言ったよ」
「じゃあ、それがね、世界中の人が知っている世界にかっこちゃんがして」って雪絵ちゃんがそう言いました。



 それから、かっこちゃんは、今まで以上に積極的に本を書かれるようになりましたが、どうやって世界中に広めればいいんだろうと思案していたところ、この話に感動、共感された入江富美子さんという方が、ホームビデオを使って撮影されこの映画ができあがったのだそうです。
 “野の花”の会場には、熊本から車椅子の方もお見えになっていて、映画の後、その方が一生懸命にお話になり、みなさんの涙を誘いました。


 「私は、52歳です。子供のころ小児麻痺にかかりました。その当時、障害者は忌み嫌われており、先祖のたたりがあるからだと、誰も近づこうとしませんでした。
 施設を出て、19年間、私は、普通の人の暮らしがしたくて一人暮らしを始めました。しかし、一人暮らしは大変で、土に埋めたポータブルトイレに行くのさえも、ごろごろと転がって行き、用を足して、またごろごろと戻って来ました。お尻を拭くのも腹這いになったままでした。下着を着けるまで、一度のトイレだけで2時間もかかりました・・・。」(ご本人の了解により掲載しています。)


 泣きながら、必死に話してくださいました。
「私たちが居るから、あなたたち健常者が存在するのだ・・・。」という、1/4の奇跡の話に、とても共感し、勇気をもらわれたのでしょう。
 聞き取り難い彼女の言葉に、みなさん一生懸命耳を傾けられていました。そして、たくさんの方たちが、彼女の手を取り「ありがとう!」を言いました。


 一緒に見えられていた、仏さまのようなやさしい男性が、控えめにずっと彼女のお世話をされていました。最後のお客さまとなられたお二人を庭までお見送りしたとき、
 「僕は、彼女と出逢ったことでたくさん助けられています。」と、静かにぽつりとおっしゃった言葉が、私の心に、その日の映画の締めくくりとしての深い余韻を残しました。


 福岡では、“野の花”が封切りでした。
これから、あちこちで展開されるそうです。
開催予定を時々チェックされて、お近くで開催されるときにぜひお出かけください。
http://www.yonbunnoichi.net/  (開催予定)


 以下のサイトをぜひ開いてみてください。
たくさんたくさんの宝物のようなお話がいっぱい詰まっています。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/kakko/mokuji.html
http://www005.upp.so-net.ne.jp/kakko/


 講演会のお話も、生徒さんとのエピソードもすべてが公開されています。転載もすべてフリーです。・・・それは、一人でも多くの方々に障害者のことや1/4の奇跡のほんとうのことを知って欲しいからなのだそうです。
 この続編もあるそうですから、ぜひまた上映させていただきたいです。


 “野の花”に来てくださる方々とのご縁で、新しい出逢いやイベントが広がっていきます。このご縁に感謝し、少しでも多くのみなさまと気付きや感動を共有できればと思っております。上映後の片付けも、みなさんがお手伝いしてくださいます。みなさま、ほんとうにありがとうございます。


 最後になりましたが、写真は、"北崎通信局さん"のを使わせていただきました。今回の映画を持ってきてくださったかたです。
http://kitazaki.exblog.jp/ (北崎通信局)
こちらのブログにも、7月31日に「映画1/4の奇跡の上映会を終えて・・・ 」というタイトルで、ご覧になられた方たちの感想が掲載されています。
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