立派な天然の物干し竿を作ってもらいました。真竹です。
今まで使っていたものは、虫に食われて、布団などの重いものを掛けることはできないようになっていました。
作者は、最近大工仕事等でお世話になっている、近所の70過ぎになられる正さんです。庭の、バラ用の竹のアーチを作ってもらったり、排水工事もやってもらいました。初夏には、畑の支柱に、杉を加工してもらったり、笹竹もたくさん採ってもらいました。庭の木々の選定もお願いしたりします。
自分の山もお持ちですが、近くの”雷山ゴルフ倶楽部”の山の管理もされているので、竹や杉材はお願いすればいくらでも融通していただけます。
畑用の支柱を採りに連れて行ったもらったときに、物干し竿も欲しいと言うと、今は時期ではないからと言われて、それっきり忘れていました。
先日、「そろそろ物干し竿ば、採りに行きまっしょうか!いつが良かですか?」と思い出させてくれました。
採りに行ったのは、実は、先週の水曜日、高校野球の決勝戦があった日です。
”涼しい時間に”ということで、行ったのは朝の7:30でした。
川沿いの山裾には、銀杏の木がずらりと植えられています。私が、”末永”に来たときの5年前には、ほんの30cm程の苗木でしたが、今年は、もう1.5mくらいに成長していました。
初夏に支柱採りに行ったときには、
「大きゅうなったこの銀杏の木ば、納骨堂から眺めようと思うとります。」と言いました。
・・・納骨堂は、近くの高台にあります。
今度は、
「銀杏の実がなるころは、わしは居らんですけん、あーたが、好きなだけ採らっしゃって良かですばい。」
夏草の生い茂った小径を軽トラックで進みながら、正さんはそんな寂しいことを言いました。
竹山に入ると、たくさんある竹をひとつひとつ品定めしながら、
「こげんいっぱいありますばってん、なかなか真っ直ぐなものはなかとですよ。」と、あちこちうろつきながら切る竹が決まりません。手には、鉈と、切った竹を結わうための、畳の縁を引っ剥がした紐が数本握り締められています。 |
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私が、正さんを好きな理由のひとつは、どんなものでもとても大切にされることです。使用済みの荷造りの用の紐なども、いつも納屋の道具置き場にきちんと整理されて吊るされています。
自分で建てられた家も、いつもピカピカで、家を囲むようにそびえている生垣も、常に散発したてのように刈り込まれて、伸びすぎているのを見たことがありません。
昨年びっくりしたのですが、家中の板の外壁の全てに防腐剤をせっせと塗られていたことでした。おまけに、雨どいという雨どいにも、すべてペンキを塗り直されていました。とても大きな家なのですよ。それに母屋と、納屋は、3棟もあるのです。
少々気難しいと思われている正さんですが、律儀で几帳面で、とても繊細な心を持っている方だと思います。 |
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竹を採って正さんのレンガ敷きの庭に戻ってくると、竹の節に、丁寧に丁寧にカンナをかけ、しばらくすると、それは時間がかかり過ぎると言って、古い年代物の電動ヤスリを持ってきて削ってくれました。私は、長い竹をずれないように支えているだけ。
「竹の表面にロウやら汚れの付いとるけん、しっかり洗わにゃ洗濯物の汚れるですばい。」と、冷たく冷やしたみかんジュースをくれながら気遣ってくれました。
材料費のかかる大工仕事などには、もちろんお代を払いますが(とても少量)、ほとんどはボランティアです。
一軒隣でほとんど家に居られるし、仕事がきれいなので、とても貴重な存在の方です。正さんの人柄にも、ついいつも甘えてしまっている私です。
ここ”末永”の方たちは、ほんとうに信じられないくらいみなさんやさしいんです!
そういえば、昨日のブログでは、お隣の尚道さんに、畑の草刈りをしてもらったことを書きましたが、今月始めには、裏の節子さん(清さんの娘さん)が、やはり草刈機で刈ってくれたのでした。先月は、畑の地主さんがしてくれました。
家の前の小路は、いつもお向かいの有弘さんが掃除をしてくれますし、土日ランチの”のぼり”を取り込むのを忘れていると、いつの間にか庭に戻ってきています。(のぼりが歩いて帰ってくるはずはないし・・・)
「いったい、あなたは・・・?」と言えば、実は何もしない怠け者なのです!
みなさま、ほんとうにありがとうございます。
ここに住まわせていただいて心から感謝しています!
正さんは、写真を撮られるのは嫌いなので、掲載することができないのは残念です
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