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曼珠沙華2007-09-21
 彼岸花が咲くころになると毎年、「曼珠沙華一群燃えて秋陽強し」という、教科書に載っていた俳句を思い出します。(正確な漢字は分かりません。)中学3年生の国語の教科書だったと思います。


 ある日の国語の授業中、国語の担任が、詠まれている情景や作者の想いを私たちに質問していました。
担任:「これは、どんな情景を詠んだものか?誰か分かるか?」
生徒:「はい!火事で一村が燃えてしまって、燃えた村に彼岸花が咲いている、寂しい情景だと思います。」


 みんなで笑ったのか、私だけが笑ったのか定かではありませんが、40年以上経った今でも、毎年、彼岸花の花が咲くと、名回答をしたイガグリ頭の彼の顔や姿が鮮やかに蘇ってきます。清田 忠晴君という人でした。
 口数が少なく目立たないけれど、ひょうきんなところがあって、何を話すにしてもはにかみながら朴訥に喋る彼は、クラスで結構の人気者でした。今頃は、どんな立派な小父さんになっているのでしょうか?・・・私も、つまらないことを後生大事にしているものです。
 こんなことを言っている私も、実は、人のことなんて言う資格はありません。高校時代のクラス・メートから未だに笑われているかもしれない大馬鹿かな話があります。(尤も、大馬鹿は高校時代に限ったことではないのですが・・・。)


 英語のグラマーの試験で、日本語を英語に表わす問題が出ました。詳細は覚えていませんが、その中の日本語に、「紅茶」という言葉が出てきました。
 お茶は、”tea”で、紅茶だったら赤いお茶のことだから、”red tea”と書きました。・・・馬鹿、馬鹿!全く大馬鹿者です!中学1年生でもあるまいに!


 さて、答案用紙を返してくれる時間になって、グラマーの担任は、「紅茶のことをレッド・ティーと書いた人がいます。赤いお茶だそうですよ!そんなのありますかねえ。僕は、英語の教師になって、こんなことを書いた人に会ったのは初めてです。」よほどあきれたのでしょう。(そりゃそうですけどね。)
 みんなは、しつこく同じことを繰り返す担任の言葉に、お腹を抱えて笑っていました。そして、私も仕方なしに力を失くして笑っていました。・・・さも他人のことのように。だって、担任が誰のことを言っているのかは、みんなは知らなかったんですもの。


 クラス・メートたちは、よほどその”レッド・ティー”が気に入ったらしく、休み時間になっても私の周りで軽蔑しきって騒いでいました。
「馬鹿やねえ!いったい誰よ!恥ずかしくないんやろか・・・?」
 私は、休み時間になったら自分から、
「あれサァ、さっきのこと、あれって私のことよ!」とみんなでまた笑おうと思っていました。
しかし、先を越されて侮蔑に満ちた友人たちの会話を聞いて、結局言いそびれてしまいそれっきりでした。


 その当時、62名も居たクラス・メートたちの数名が、そのことを未だに思い出して語り草にしていないとも限りません。 彼岸花の思い出から、とんだ私の恥まで思い出してしまいました。


 ともあれ、彼岸花は、今年もお彼岸を忘れません。
キッチンから見える山手の畑の畦に、何10メートルも続いて見事に緋色に燃えています。“野の花”の裏だけでなく、どこを歩いても今は彼岸花だらけです。


 彼岸花は、モグラ対策として植えられたということもあるようですが、不思議なことに、草茫々の藪にはあまり見かけないと思いませんか?なぜなら、この彼岸花が咲く前に、いつも一斉に草刈りが始まるのです。
今まで、何にも感じないで、当たり前のように眺めてきた花ですが、お百姓さんたちは、この彼岸花の咲く農村景色を昔から大切にしてきたのではないでしょうか。・・・そんなことをふと思いました。


 でも、ちょっと気になることがあります。今年は、あちこちで緋色の花の中に、脱色したような、赤に白混じりのものが数本ずつ目立つようです。去年はなかったような・・・?何かの異変でしょうか?
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