お彼岸を過ぎたら、いつも春の花の種蒔きをしなければとソワソワと落ち着かなくなってしまいます。今年はずっと気温も高かったので、少しは安心しながら、湧水(鹿児島県)の友人宅の種蒔きを先に済ませ、私の庭はやっと今月の8日に蒔くことができました。
今年の春に採取した種や、山鹿の親戚(スモール・ターシャおばさん)からもらっていた種が20種類くらいです。それから、新種のチューリップや百合、水仙類は新たに買ってきました。
近頃、買いたいと思うものは何にもなくなってしまったのですが、可愛い花や珍しい花だけは特別です。どうしても買ってしまいます。 |
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種蒔きから1週間の状態です。ぼとぼち発芽しています。
宿根アマ、花菱草、ピンクたんぽぽ、かすみ草、ネモフィラ、アーティチョーク、千鳥草、ニゲラ・・・
春の花がカラフルに、一斉に咲くのがたいそう楽しみですので、種蒔きの時期を逃したら来年までとても悲しい気持ちで過ごさねばなりません。畑の野菜もそうです。蒔き損なったら、他所の畑をとてもうらやましい思いで指をくわえて眺めなければなりません。ですから、いくら時間がなくても種蒔きは最優先です。
しかし、ガーデニングは、とてもむずかしいと、この“野の花”の庭を持ってみて思い知りました。
まずは、花の咲く時期がしっかり分かっていること。それから、それぞれの性質を把握していること。植える場所によって成長の度合いが大きく変わってきますし育たない場合もあります。どの程度の高さになるかも知っておかないと、背丈の低いものを奥のほうへ植えてしまうと日陰になって失敗です。さらには、色の組み合わせや取り合わせののセンスも必要なんですよね。
“野の花”の庭を持つ前は、新興住宅の、敷地面積わずか50坪のところに暮らしていましたので、それなりに花は植えていましたが、ちょっと植えればそれなりに花いっぱいになったものでした。ですから、少し広めのガーデニングらしいことを始めたのは、わずかに5年余にしかなりません。 |
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この画像は、引っ越して半年目の庭です。今見ると、あまりの寂しさにぞっとしてしまいます。何にもありません。だだっ広い庭です。
今考えると、お客さまがこんな寂しい店によくぞ来てくださったものだと思います。私だったら行かないでしょう。 |
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これは、丸一年後の庭ですが、まだまだ広々としています。
どこに何を植えたらよいのか、どういう風に作って入ったらいいのか皆目検討もつきませんでした。
そして、それから数年が経ちましたが、相変わらず迷ってばかりで、手当たり次第に植えていったものの、ただ植えてるだけ・・・。春の花が咲き乱れる頃は、それなりに花の美しさにごまかされますが、それを過ぎると藪になって途方にくれてしまいます。庭は、雑然として狭さを増すばかりのありさまです。
山鹿在住のスモール・ターシャおばさんは、言います。
「そりゃぁ無理よ!ターシャ・チューダ(これが本物のターシャです!)だって、20年かかったっていうんだから・・・!」
そう言いながら、せっせと花の種や苗をいつも山のようにいただいて面倒を見てくれています。私にとって、スモール・ターシャおばさんは植物の師匠です。
(そして、友達以上の大の仲良しです。私たち、花の話を始めると何時間でも話しが終わることがありません。なるべく電話はしないように努めているのですが、通信回線が一旦開通するととんでもないことになってしまいます!メールを交わすのも、彼女とが一番多いです。)
そうなんですよね。それにターシャは、絵本作家でもあり芸術家なので色彩感覚は抜群なのです。なのに20年もかかったって・・・。もっとも、気が遠くなるくらいの広さですし、花と暮らし始めたのも、子供の頃からでしょうから。
は〜!身体が動く限りガーデニングをやったとしても、いったい少しは見れるような庭になるのでしょうか?
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