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31歳になった愛しい娘へ Part22008-03-25
(つづき)

 お母さんの仕事が、ますます忙しくなってあなたに麟ちゃんのお迎えを頼むようになった2年生のころのことです。お母さんはあなたに、「お母さんが居ないときは、あなたが麟ちゃんのお母さんになってあげてね。」とお願いしました。そうしたら、あなたはほんとうにお母さんになってくれました。ずっとずっと、今でも、あなたは、お母さん以上に麟ちゃんの面倒を看てくれています。麟ちゃんが生意気になった中学のころまで、けんかしたことはなかったですね。
 おやつをあげたときも、いちごをあげたときも、あなたはゆっくり、麟ちゃんは、パクパクといつも食べるのが早かった。あなたは、自分の残りを、半分、また半分・・・といつも大半を麟ちゃんにあげていましたよね。


 麟ちゃんがいじめられたとき、あなたは相手の男の子のところへ怒鳴り込んだりしたこともありましたね。いやぁ、そんなときのあなたは、勇ましいし頼もしいし堂々としていました!麟ちゃんも、お母さんには逆らっても、あなたには、従順だったです。姉として認めていたんでしょうね。


 麟ちゃんの誕生日、バレンタインデー、お年玉(成人しても続いているね)クリスマスのプレゼント、一度だって欠かしたことはないよね?あなたが帰国するときには、麟ちゃんにも一緒に帰ってこれるように帰省チケットまで用意してくれるんだものね。最高のお姉ちゃんだと思います。麟ちゃんは、幸せ者です。
 あなたの4年生のころの“成長のアルバム”を取り出すと、表紙の絵や、丁寧に書かれた文字や自分の似顔絵が現れました。あなたの絵は、いつも明るい色に満ちていました。お母さんは、いつもそれがとても嬉しかったです。(拡大画像で見てね。)・・・20年前の下の作文を読むと、自分で書いた内容を思い出すでしょうか?


 
【 楽しかった一年間 】

 この一年、私にとっていろいろ楽しいことがありました。その中でも、私の心に残ったことは、内田さんと赤木さんとで遊んだことです。いつも、
「まき〜、やめて。」
なんてさけんだり、ちょっといたかったけれど、なにもかもいい思い出です。
 私は、いつもめしつかいの役ばかりでした。でも、その役もけっこう楽しかったです。三人で作ったこの遊びは、もうわすれることはないと思います。短い時間の中でかぞえきれないほど楽しいことがいっぱいありました。
 本当に四年四組の人は、みんな親切な人ばかりでした。
 勉強にあまりねっちゅうせず、遊びにむちゅうになっているうちに一年もたってしまったなんて信じられないくらいです。
 五年生になっても、すてきな思い出ができるといいな、と思っています。
 一年間、すてきな友達にかこまれてしあわせでした。(おわり)

(段落、句読点もそのまま転記しました。)
 

 普通は、みんなが嫌がる“召使役”が楽しかったって、あなたらしいです。あのころ、ほんとうにとても楽しそうにみんなで仲良く遊んでいましたよね。お誕生会もよくやりましたね。ちえちゃんもまきちゃんも今頃どうしているのでしょう?
 お母さんは、この写真を見ても、あなたらしいなあと思ってしまいます。後ろの人のために、頭を低くしているんですものね。そうでした。あなたは、いつもそんなところがありました。いつも周りの人を気遣うことができたんですものね。子供のころから、買い物に行くと決まって、サッとお母さんの荷物を持ってくれていたよね。さも当然のごとく、考えるよりも身体が動くって感じでした・・・。


 うちにお客さまが見えるから、部屋をきれいにしてお料理もしなければと思っていると、いつの間にかお部屋を、非の打ち所のないようにきちんと片付けてくれてましたっけ。人が、何を望んでいるかを機敏に察してくれていました。
 高校のときも、いつもお友達の話の聞き役に徹していましたよね。登校拒否のお友達のお世話をずっとしていたって、担任の先生から聞いたことがありました。あなたは、自分からそんなことお母さんには話してはくれなかったけれど・・・。


 でも、中学生になってあなたの反撃が始まりました。お母さんへの抗議のお手紙がたくさん届くようになりました。反抗期や部活での忙しさも加わって、あなたは、いっさいの家事を拒否するようになって来ました。あまりにもたくさんの負担をかけすぎていましたから、その反動は当然のことでしたよね。あなたに甘え過ぎていました。あなたのように繊細ではない鈍感なお母さんでした。ほんとうにごめんなさいでした。小学生のころは、あまりにもでき過ぎていました。
 でも、やっぱりあなたは、やさしく強い子でした。あなたが自分を知っているよりはるかに強い子だと思います。あなたが自分の子供を持てば、きっと存分にそれが発揮されることでしょう。


 人生を苦しいと感じたときは、全身の力を抜いて海に浮かんでいる姿を想像してみてください。自分が、やりたくないことはやらなくてもいいのですよ。自分が行動することで、人も喜ぶ、楽しいこと、ワクワクすることの方向へ心の赴くままに流れて行ってください。頭で考えたり、計画を練ったりすることより、自分の心と対話し五感を磨いて欲しいと思います。
 人生は、ほんとうはとてもシンプルなのだと、この年になって最近つくづく思うようになりました。人生の究極のキー・ワードは、「これが私だ!」と「愛と感謝」なのだと今、お母さんは思っています。
 誰のまねをすることも要らないし、誰もお手本にはなりません。それは、あなたという人が、世界にたった一人しか居ないからです。あなた自身の光を増すようなことを考えてください。「これが私だ!」という自分自身を信じることが一番大切なのだと思います。
 そして、何が起ころうとも、起こったことにはすべてに意味があり、ベストなことが起こるべくして起こっているのだと信じてください。あなたの人生を祝福し、あなたの人生を信じています。


 お母さんのことは心配しないで、思う存分自分の人生を謳歌してください。お母さんのために日本に帰って来ようなんて考えなくていいですからね。お母さんだって、十分自分の人生を楽しんでいます。それにとても元気です。


 お母さんの子供に生まれてきてくれたことを感謝しています。そして、いつもたくさんのやさしさをありがとう!子供の誕生日は、子供になってくれたことをお祝いする日、感謝する日です。
 今日は、お誕生日メッセージですから、褒めちぎり、盛りだくさんの言葉の花束です!


 来週の帰国のときに、お誕生日のお祝いをしましょうね。そうそう、麟ちゃんから、あなたに贈る初めてのお誕生日プレゼントも届いているのですよ!・・・麟ちゃんも、やっと大人になってくれたようで嬉しいですね。


 桜前線が動き出しましたが、きっとちょうどよいころでしょう。ワシントンの桜もきれいだけど、日本の風景の中の桜は、久しぶりですね。“野の花”の庭も、あなたの滞在中にもっとお花が咲いて欲しいです。あなたにとって、初めての“野の花”の春ですものね。
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