早々の梅雨明け、連日の晴天に、土用を待たずして梅干しの天日干しを始めました。今日から、三日三晩干すことになります。
この画像は、今から干そうとしている梅漬けです。完熟の南高梅を漬けましたので,ふっくらと艶やかです。きれいでしょう?それでも、例年でしたら、土用後半の7月末にやっと干すことになるのに、今年は、紫蘇に漬け込んでまだ1週間程ですので、完全に染まってはいません。 |
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毎年、隣家の末住さんの梅林のお世話になっています。先代の頃は、梅農家でもあったらしいのですが、近年は手が回らず、200本近くある梅は、実がなっても、大半が落ちるに任せてあります。上等な南高梅ですのに、とてももったいないことです。知人、友人を誘っては、ちぎりに来てもらっています。
何度も何度も、熟れ具合を確かめにクマを連れて通いました。“野の花”からゆっくり歩いて30分足らずです。
でも、梅林に行くのに、今年は予期せぬ楽しみがありました。毎年聴こえていたのかもしれませんが、鶯の谷渡りの声を初めて知りました。
リリリリリリリリ・・・・・スッピチャ、スッピチャ、スッピチャ・・・と山中に響き渡る声に聞き惚れ、その鳴き声に引かれて結構通い詰めました。
野鳥に疎い私は、そのすばらしい鳴き声が何の鳥なのかずっと分からず、ネットで、かなり検索しました。ホーホケキョ、キョッ、キョッ、キョッ・・・の鳴き声と合間って聴こえるのですが、まさかその正体が鶯だったとは驚きでした!それが分かったときの嬉しかったこと!
携帯電話に録音はしたのですが、パソコンに入力できないのが残念です。 |
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これは、そんな鶯の谷渡りの声を聴きながら、採ってきたばかりの梅です。通常でしたら6月中旬が梅の収穫時期ですが、今年は短期といえども長雨が続いて熟すのが大変遅れました。収穫は、7月1日でした。ぐずぐずと雨と曇りの天候で、梅の出来が悪く、南高梅らしからぬ”しみ、そばかす”入りの器量だったため、「今年は売り物にならないから・・・」とご親切にタダでいただきました。といっても、例年、わずか1kg300円で譲っていただいているのですが。今年も、みなさんから大いに感謝されました。 |
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紫蘇は、私の畑で採れたものと、足りない分を、ご近所から分けていただきました。梅干しを漬けるときに一番大変なのは、この紫蘇の処理です。特に私の紫蘇は、農薬を全く使っていませんのでしゃくとり虫などがついています。流水で一葉一葉をむしりながら洗います。延々と、手がフヤケてしまうまで数時間・・・忍耐のときです。かなり辛い仕事です。・・・梅の量が多いから紫蘇の量も多くなります。 |
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そんなこんなで、天日干しの日を迎えました。全部で20kg、直径60cmのザルに4杯です。午後から一度、裏表をひっくり返します。皮も三日三晩干すと、赤ちゃんの肌のように軟らかくなります。ただ問題は、紫蘇を入れた瓶に戻して漬け直した後です。軟らか過ぎるので、皮を破らないように、まさに腫れ物に触るようにソーッと扱わないと種が飛び出してしまいます。
それにしても、天候のおかげで超スピード仕上げになりました!本漬けでしっかり熟成してもらいましょう。
私の梅干しは、塩分10%です。(通常の梅は、15〜20%で作られていることが多いようです。)完熟梅ですので、酸っぱ過ぎず、塩分も少ないのでとても食べやすいです。梅を洗うときに焼酎を使いますが、それ以外は、自然塩の純正塩漬けです。
毎年、私の梅干しを心待ちにしてくれている人たちがいます。東京、長崎、熊本に旅立っていく日も、もうすぐです。暑い夏を乗り切るための、梅干しの効能を大いに利用していただきたいです。
余談ですが、今年の七夕は晴天に恵まれ、すばらしい天の川と織り姫、彦星も観ることができました。月が西に沈んだ深夜、このところ毎晩観ることができます。
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