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息子へのメッセージ2007-06-20
 麟ちゃん、お誕生日おめでとう。
 元気そうだし、お仕事も頑張っているようなので安心しています。
東京は、雨も降らずに30度を越す暑さだとラジオから聴こえてきます。


 もう26年も経ちました。
 26年前の今日、朝から、陣痛の兆しがあったので、お父さんとお姉ちゃんの夕飯の準備をして、夕方近く一人で病院に行きました。
 出産間近のお母さんは、大きくなりすぎたお腹のせいで足先に手が届かず、靴下を履いたり爪を切ることができなくて、いつもお父さんのお世話になっていました。何しろ体重が、19kgも増えていたのですから。


 あなたが生まれたのは、薬院にある“福岡逓信病院”です。
 二人目だから簡単に出産できるだろうと高を括っていたのですが、回線異常といって、仰向けに出てこようとしたいたあなたは、吸着や鉗子(かんし)分娩でさえ出て来れずに、お母さんは、世界残酷物語を思わせるような苦しみでした。さぞかし、あなたも辛く苦しかったことでしょう。
 結局、助手の先生が、お母さんのお腹の上に馬乗りになり、手加減しないすごい力で、まるでチューブ入りのわさびを出すように、あなたを搾り出したという感じでした。
 明け方、雷鳴が轟き、バケツをひっくり返したような豪雨と共にあなたは、生まれてきました。3650gでした。
5時半くらいだったのかな?(母子手帳で、確認しようと思ったけれど見つかりませんでした。ちゃんと見つけておきますね。)
 あなたが生まれたとき、お母さんは叫びすぎたため声が出なくなっていました。病棟中の入院患者さんたちが、お母さんの声を聞いて震え上がったといいます。「怖かったぁ〜!」と後で聞きました。
 生まれた後も、お母さんは、あなたの頭や身体に障害が出てこないかと、それはそれは心配しました。


 あなたが生まれた年は、とても暑くて、エアコンも扇風機もなかった我が家に、初めて扇風機がやってきました。あの団地は風通しがよくて、エアコンなど必要性を感じなかったのです。しかし、抱き合っておっぱいを飲ませるのは、さすがに暑くて、扇風機を買わずにはおれませんでした。
 お姉ちゃんは、当時4歳でしたが、近所の人たちに「うちには、扇風機があるよ!」と自慢をして回ったものです。・・・どこの家にも、もうエアコンが付いている時代でした。


 そのころ、ララというおとなしい迷いネコを飼っていましたが、年に3回もお産をしていました。
あなたが生まれたころは、3ヶ月くらいになった子猫たちが5〜6匹もいて、なぜかあなたの布団に集まり、あなたの首周りや、頭を取り囲んでぴったりくっついて寝ていましたっけ。猫さんたちの毛は、あなたの汗でびっしょりでしたよ。


 あなたは、おとなしく手のかからない子供でした。いつも機嫌がよくて、笑顔で顔を覗き込むと、あなたは必ず笑顔を返してくれました。お母さんが、わざと悲しそうな泣き真似をすると、あなたの口は、べそをかくようにへの字に曲がりました。・・・あなたのそんな反応が面白くて、お母さんは、笑ったり、泣いたりする顔を交互に繰り返しながら、あなたをからかって遊んだりしました。(ごめん)
 団地のお姉ちゃんたちが、よく遊んでくれましたよね。仕事が終わって、保育園からあなたを連れて戻り、団地の庭に到着すると、遊んでいた小学生の子供たちがいつもワーッ一と一斉に駆け寄ってきました。家の鍵を開けると、子供たちはなだれ打って狭い家に入り込み、数人の子供たちは、ベランダの柵に馬乗りになってワイワイ言っていましたっけ。
 日曜日になると、朝からあなたを迎えに来て、大濠公園や小学校に連れて行って遊んでくれましたよね?あなたの洟が出てると言っては、ティッシュを取りに来てくれる、あなたが転べば、リバテープを取りに来てまた走り去っていきました。お姉ちゃんも、良くあなたと遊んでくれましたが、みんながお守りをしてくれるおかげでお母さんは、大助かりでした。あなたは、大変な人気者でしたよ。
 みんなとよく、さつま芋やとうもろこしや、ご飯も一緒に食べたよね?
 そうそう、保育園に登園したときもそうでしたよ。門を入るや否や、女の子たちが、「麟ちゃ〜ん!」と駆け寄って来てたの、覚えていますか?


 お母さんも、あなたのことが可愛くてたまらなく、「小さいままで大きくならないで・・・」って何度思ったことでしょう。
 走るのも速かった、野球も上手だった、縄跳びの“クロス二重跳び”、“後ろ三重跳び”なんて軽くやっていたよね?かっこよかったなあ!
 粘土遊びで、何時間も夢中になってガンダムを作っていたあなた、ブロック遊びに集中していると、あなたは、お母さんが呼んでも聞こえなかったね。虫捕りに夢中で、団地中の石という石をひっくり返して、遊んでいましたよね?確か、ボール虫なんかを集めていたのよね。
 そんなに何事にも夢中になれるあなたがお母さんは大好きでした。


 思い出せば、限りなくあなたたちの幼かった頃の記憶が蘇ってきます。
 大人になって、自分の小さかったときの事を知りたいと思うことがお母さんにはよくありました。そんな自分の想いから、いつか、ゆっくり昔話ができるときが来ればするでしょうけど、明日のことはあてにはならないので、今年から、お母さんは、あなたたちに送るメッセージの記録を取ることにしました。そして毎年記念日に、あなたたちにまつわるエピソードを教えてあげるつもりです。


 子供の誕生日は、親にとってこそ記念日なのです。あなたに出逢えたこと、そして元気でいてくれることに感謝する日です。


 “後片付け!のきちんとできる人になってください。それは、責任感と次への仕事のステップにもなるでしょう。
 小さい頃のあなたを思い返し、自分への自信と糧となってくれたらいいなあと思います。
 あなたのすばらしい資質に乾杯です!
 採れたての玉葱、じゃがいも等を一緒に送ります。玉葱は、乾燥した場所で保存してください。
 お姉ちゃんからのプレゼントも添えて。
届いたら、お姉ちゃんに、ちゃんとお礼のメールをしてくださいね。

                          2007.6.20  母より
麟太郎さま
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