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大失敗とお客さまのやさしさ2008-06-16
 昨日(15日)の日曜日、大変申し訳ない大失敗をしてしまいました。ご予約日の勘違いです。
 昨日は、雨にもかかわらずコースのお客さまと玄米ランチのお客さまがお見えになって、とても忙しく仕事をさせていただきました。最後のお客さまが16:00にお帰りになった後、キッチンは、食器が山積み状態になっていたところに、プライベートで、別なお客さまがご夫婦でお見えになりましたので、玄関先でまた楽しくお話をしているところでした。


 と、小さいお子さまを抱いた若いご夫婦に続いて、ご両親がお見えになりました。
「え???、・・・来週のご予約でしたでしょう?」
「いいえ、今日ですよ。父の日のお祝いでしたから・・・。そう言ったでしょう?言わなかったかしら?そんな・・・まあ〜・・・」
「え〜?・・・来週だと・・・あ・・・私、今日もお料理をしながら、来週はどんなメニューにしようかって思っていたんです。特別に薄味で、お座敷でとおっしゃって・・・」
「そうそう!薄味で、お座敷でって言いましたよ!でも、それは今日よ!」
「ええっ!?そんなぁ!きゃあ〜、まあ、どうしましょう!」
・・・現実を認識できるまで時間がかかってしまいました。


 そんなやり取りがありましたが、大慌ての私に、みなさんは、「しかたないよね・・・」とつぶやかれました。
「いいです、いいです、また来ますから!」とご予約のお母さまも諦めてにこやかに。「私が、今日確認の電話をすればよかったんですよね。」とも。
 私は、必死でお詫びの言葉を並べて平謝りでした!どこでどう間違ったのか、私が勝手に22日の日曜日だと勘違いをしていたのです。


 ご予約を丸つぶしにされたお客さまの車をお送りした後、私とお客さまとのやり取りを一部始終聞いていらした玄関先のお客さまは、「まあ、やさしいお客さまねえ!」とおっしゃいました。
「ねえ、何一つ顔色を変えずにあんな笑顔で帰ってくださるなんて・・・」私も、呆然としたまま応えました。「でも、きっと車の中で、すごく怒っていらっしゃると思います。許してはくださらないでしょう・・・」と付け加えました。


 食器を洗うのも気が重く、ただただ申し訳なくて何をもって償ったらよいのかと、ずっとそればかりを考えていました。雨の日も、たとえ夜中になってさえ欠かさないクマの散歩も行く気力がありませんでした。(クマもごめんね。)


 午後に、改めて昨日のお客さまにお詫びの電話をしました。
「あの・・・“野の花”でございます・・・」
「まあ!“野の花”さん!昨日は、ごめんなさいねえ!あなたのことだから、きっと夜も眠れないくらい心配されただろうと思ってたのよ!」
いきなり、”ごめんさない”の言葉で飛び込んできたお客さまの明るいお声でした。
「そうなんです、ほんとうに何とお詫びをしたらいいものか、ずっと考えていました。あの・・・、来週でも改めて来てくださいませんか?あの・・・お代はいただきませんので・・・お詫びの埋め合わせをさせていただきたいのですけど・・・」
「まあ、なんてことを!ええ、改めて行きますとも!でも、お代は取っていただかなくては困ります。でないと行けませんよ。」
「・・・ほら、あなたは、最初に私たちが行ったときのこと覚えていますか?小さな子供たちが、結露で曇ったガラス窓にお絵描きをして楽しそうに遊んでいたこと・・・?私も、とても楽しかったの。娘の子供も生まれて今は、2歳になったの。また連れて行くわよ。今回はね、息子嫁を一度連れて行きたかったのよ。うん、主人も別に怒ってもいなかったし・・・。」
「・・・どうして、そんなにおやさしいんですか?・・・私、もうお話もしてくださらないかと思っていました・・・。」
私は、胸が詰まって言葉も途切れ途切れになり、いくらも話せませんでした。
「そんなことないって!いいのよ!私がちゃんと確認しなかったのが悪かったんだから。勝手に15日の日曜日だと思い込んでたのよ!アハハハ・・・気にしないで!」


 父の日のお祝いで、和やかに寛ごうと思って来てくださったのに、何の用意もされていなかったそのショックは、きっと大変なものだったと思います。でも、笑顔を崩さないで反対に私を慰めながら帰ってくださいました。そして、今日は、とても元気なお声で更に私を励ましてくださったのです。私には、とてもできないことだと思いました。
 特に今日のお声は、愛しいわが子を包み込むような母性に満ちたやさしく甘いお母さんの声でした。曇りガラスのお絵描きの情景と共に耳の奥にず〜っとそのやさしいお声が響いています。
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