あら、お母さん、写真撮るの?
こんな寝姿でよかった?
まだ、よく目が覚めないけど。
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あたし、キジー。
もう満13歳になったけど、まだまだ色っぽい目つきも出来るわよ。
昔は、そりゃあモテたのよ。
毎日毎日、男の子たちが入れ替わり立ち替わり裏のウッドデッキに日参していたものよ。決闘だってあってたわ。
でも、今はだ〜れも来ない。
それに何でもがめんどくさい。
一人でいるのがいちばん好きよ。
気ままに過ごしたいし、だれからも構われたくないの。 |
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・・・?
ちょっと、ポーズ変えてみる?
これでいい?
うん、そいでね、昔お母さんが、食事のお店をしてた頃、そのころも、あたし、お客さまたちに人気あったんだ。
お店に見えたときに、まず、「今日はキジーちゃんいますかぁ〜?」って入って来られてたものね。
あたし、そいでみんなのお膝を回ってサービスもしてたのよ。
不思議とお客さまの9割以上が猫好きの方だったの。
ボーイフレンドにもお母さんのお客さまにもちやほやされて、あたしはお姫さまだったんだけど、でも、お母さんたら、次々に可哀想な捨て猫たちを保護して面倒見るようになって、あたし、そんな野良たちが嫌いで、何度も家出したんだけど、でも、お母さんって、どの猫にもやさしくしてサ、いつのまにか、お母さんがもうあたしだけのお母さんじゃなくなっていたの。
あたし、こどものころはほんとに素直で人懐っこいかわいい子だったのに。
だんだんひがみっぽくひねくれていったんだ。
うん、気位だけは高いって、それはいつもお母さんが言ってた。
今は、ふくちゃんって子も一緒に住んでいるけど、あたしは嫌い。
あたしに付きまとってついてこられるのも煩わしいし、あの子ちょっとおバカだものね。
でも、お母さんは、ほんとうはあたしのこと何でも知ってて、あたしの動きだけで、あたしが何をしたいのか分かってくれるよ。
今は、喉や背中を掻き掻きして欲しいときだけかな、お母さんに擦り擦りしたくなるのは。
あ、それから、寒くなったらいつもお母さんの温かいベッドで一緒に寝るよ。
お母さんの枕に頭を並べてサ。
こんな涼しい日は、風通しのいい縁側でときどき外を眺めながら寝るのが好き。
雨がたくさん降ってる。
だ〜れもあたしに構わずにそっとしててもらいたいな〜。
あたし、もう少し寝る〜。 |
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あ、そうそう、昔のあたしを見て。
こんなに小さかったの。
ここのお家に来てまだ1週間くらいかしら?
ねえ、毛艶のいいこと! |
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もう一枚。
あたしも子供のころは甘えん坊だったんだ〜!
お母さんにめちゃくちゃ可愛がられたよ。
やっぱし目つきは変わんないね。
ちょっときつい目・・・かな?
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